鍼灸症例:舌のしびれ、舌がまわりづらい

 30歳代の男性。5~6年前から舌がしびれるようになりました。
 症状が重いときは唇までしびれ、会話をする際に舌が重たく回りづらくなります。
 舌先が下の前歯に常時接して当たり、なんとも言えない違和感が辛いそうです。

 耳鼻科・口腔外科・歯科では異常は認めらません。
 舌痛症との診断で鎮痛補助剤(抗うつ剤)を服用するも副作用のため中止しました。

 実際に舌を見ると、舌先の表面が凸凹して少し荒れています。
 舌の位置が低位舌になって、舌の前歯と接し続けているせいでしょう。

 舌の正しい位置(上顎の硬口蓋に接する)をお教えしてやってもらいましたが、
 すぐに舌が下がって低位舌に戻ってしまうそうです。

 舌が重たい・回りにくい。しゃべりにくい。
 シビレは午後から夕方にかけて強くなる。(朝・午前中はまだマシ)
 舌を硬口蓋に接することが難しい。

 これらのことから、舌筋(舌を動かす筋肉)のトラブルかと思われました。
 舌先が荒れているので、舌の知覚過敏性が増しているのでしょう。

 顎や首をいろいろな方向に動かしてもらったところ、
 頭を後ろに倒して天井を見る動作がやりづらいです。
 下顎から首の前面の筋肉(舌骨筋群)が硬くなっているのかな?

 首の前面と関連する胃経F6の井穴刺絡。
 再度、首を後ろに倒してもらうと、あっ!と言って驚くほどに動きます。
 舌を確認してもらうと、舌先を下の前歯に接せずにいられるそうです。

 舌周辺の筋肉は身体の真ん中なので、百会を頭部刺絡。
 舌の位置が口腔内に浮いてきた(低位舌から改善)そうです。
 よく効いたので百会の前を頭部刺絡。さらに舌の位置が上がってきたそうです。
 さらに百会の後ろを頭部刺絡。舌が硬口蓋に付いたそうです。

 しびれ感はあまり変わらないそうですが、舌の位置が正常に戻りました。
 舌先が下の前歯に接しなくて済むので、舌先の違和感が生じていません。

 低位舌が治ったので舌の筋肉のバランスが回復したかと思われます。
 ご自宅ではF6のピソマ刺激と百会の爪楊枝刺激でセルフケアを指導。
 また近々治療の続きをすることにしました。

鍼灸症例:舌の痛み・シビレと鎮痛補助剤の副作用 歯科治療後の疼痛性障害 

 50歳代の女性。10年ほど前に歯科治療を行いました。
 その後、歯・歯茎の痛みや舌の痛み・シビレなどの症状が出てきました。

 歯科・口腔外科では器質的な異常は見つからず、疼痛性障害との診断を受けました。
 疼痛性障害の治療として鎮痛補助剤(いわゆる抗うつ剤)が処方されました。
 薬の処方量は増える一方で効かず、様々な副作用のため生活に支障を来しています。

 主訴は舌・歯などの口腔内の痛み・シビレですが、副作用の症状も併せて治療しました。

 副作用のひとつ、右腕(上腕部)の硬さ・こわばり・痛みです。動作時痛はありません。
 右腕をつかむとこわばって痛いと訴えるものの、私が触っても左右差はありません。
 感覚的な問題(知覚神経の異常)なのでしょう。
 患部は右上腕後外側(大腸経)なので、右H6の井穴刺絡。
 再度、右腕をつかんで確認してもらうと、症状はあっさり消失。解消しています。

 治療効果の信頼を得たところで、口腔内の症状の治療を行いました。
 舌の痛みシビレは、舌の中央を含む左半分、歯・歯肉の痛みは左上の奥あたりです。

 舌は身体の中心部分と考え、正中線上で百会の頭部刺絡。
 これで舌中央分の痛み・シビレが10→5に改善。
 百会の前後2箇所にも追加で頭部刺絡。症状は5→2~1に。

 舌を消化器系と考えて左F1、左上の歯・歯肉で左F6をそれぞれ井穴刺絡。
 これで舌左半分と左上顎の症状は、ほぼ消失。
 探せば違和感が残っている感じだけで、気にならないレベルだそうです。

 10年も苦しんだのは一体何だった??と仰られます。
 慢性痛症なので、1回の治療では完治しないと思われます。
 これを機に、痛み・シビレを忘れられる時間が増えて行くことでしょう。

鍼灸症例:舌痛症 舌の先のヒリヒリ感・舌の左半分のザラザラ感

 50歳代の女性。9ヶ月ほど前、急に舌に痛み・異常感覚を覚えるようになりました。
 はじめのうちは舌の左側面の奥歯のあたりから発症しました。
 噛み合わせを調節したりしているうちに、患部がだんだん広がってきました。
 現在では舌の前3分の1くらいを中心にヒリヒリした痛みと、
 舌の左半分から中央部にかけて、舌を上顎に接するとザラザラした感覚があります。

 歯科や口腔外科などをあちこち回るも異常がなく、舌痛症と診断されました。
 処方された薬の重い副作用で減薬中です。

 発症の原因はとくに思い当たることもないそうです。
 顎や舌を動かしても症状に変化はありません。
 顔面・下顎の触診すると、左の下顎角あたりに激圧痛点を発見。
 そこに直接刺鍼+運動鍼。そのあとにハペパッチを貼付。

 しばらくすると(患者さん曰く)顎のズレが戻ったような感じがして
 ヒリヒリ感やザラザラ感などの症状が全く解消(10→0)してしまいました。

 舌の異常感覚は、周辺の筋肉からの関連痛・トリガーポイント症状だったのでしょう。

 2回目
 治療から3日後、解消していた症状がまた再燃してきたそうです。
 触診すると、前回の激圧痛点は消失しており、また別の場所に圧痛が出ていました。
 筋緊張のバランスの問題なのでしょうね。
 圧痛点の治療をすると、広範囲のザラザラ感が舌中央の一点に限局しました。
 治療の方向性が見えているので、出来るだけ続けて治療をすることしました。

 →カテゴリ:「★治療院のご案内」

鍼灸症例:舌痛症 口腔灼熱(バーニングマウス)症候群

 60歳代の女性。
 5年前に右下奥歯のインプラントの治療後、その部分に接触する舌に違和感を覚えました。
 だんだん悪化して、何軒もの口腔外科・心療内科で診てもらうも、改善がありませんでした。
 現在では口腔内がヤケドをしたような感じと、舌の右側を中心に舌全体に痛みがあります。

 口腔内の痛む場所を押さえてみても、圧痛(過敏点)はありません。
 顎や舌を動かしたところで痛みに変化(増悪・寛解)はありません。
 咀嚼筋や舌骨筋などには目立った筋緊張・圧痛点はありません。
 舌を左右に動かすと、舌の側面につっぱり感があります。

 筋肉や口腔など末梢にはトラブルは無さそうです。
 どうやら痛みを感じる脳や痛みを伝える神経が異常興奮している慢性痛のようです。。。

 舌のつっぱり感と自覚的な痛みの変化を治療効果の指標にしました。

 1回目(初日)
 左右H3の井穴刺絡。深呼吸がしやすくなるとともに、舌・口腔の痛みが改善。
 舌・口腔を消化器の一部ととらえて左F1を刺絡。無効。
 経絡を考えて右F6を刺絡。有効。
 慢性痛(中枢性の痛み・痛覚過敏)に対して、左右H5・F5、有効。
 この治療で、舌痛は10→5、口腔灼熱感は不変、舌のつっぱり感は10→2に改善。

 2回目(翌日)
 昨日の治療から再燃もなく、前回終了時の状態から治療スタート。
 舌の痛みは、初発の右奥歯周辺が強く、左半分はあまり気にならないとのこと。
 前回の治療内容に加え、左F1F6、右F2F6、百会右も有効。

 舌のつっぱり感は解消。口腔灼熱感は10→5、舌痛は5→3~2に改善。
 患者さん曰く、頭の刺絡がよく効いたらしい。

 3~5回目(翌々日から連日)
 舌・口腔内の痛い場所が、インプラント部分に限局してきたそうです。
 舌と奥歯が接触して痛いような感じだそうです。
 前回によく効いた頭部刺絡を中心に施術しました。

 5年と長い罹患期間のため、慢性痛になっているものと思われます。
 口腔内には異常は無いものの、脳が痛いと錯覚している状態です。
 脳の錯覚(神経の異常興奮)を鎮めるには、最初のうちは頻繁な治療が必要です。

 →カテゴリ:「★治療院のご案内」

鍼灸症例:舌痛症 舌の乾燥感・痛み・動かしにくさ

 50歳代の女性。左側の口腔内に違和感を訴えます。
 水分をいくら摂っても口内の左側が乾燥した感じを覚えます。
 それと同時に、舌の左半分が痛いような、動かしにくい感じも少しあります。

 唾液が少なくて口腔内が痛いのかな??
 唾液の分泌を促す目的で、左F1を円皮針でタッピング。乾燥感に変化なし、無効。

 実際には乾燥しておらず、ただ単に口腔内の知覚異常??と考え、
 違和感を訴える場所と関連する胃経、左F6に円皮針でトントントン♪
 口腔内の乾燥感が改善(10→5)。

 乾燥感が改善すると、今度は舌の痛みと動かしにくさが目立って感じるようになってきました。
 舌痛症のように、患部の付近の筋肉のトラブル??
 頬(咬筋)に見つけた圧痛点に円皮針。変化なし、無効。
 下顎(顎二腹筋の後腹)の圧痛点の2点に円皮針。
 舌の痛みと動かしにくさが改善(10→3)。口腔内の乾燥感も改善(5→3)。

 これでだいたい良かったのですが、まだ少し症状が残っています。
 東洋医学で舌と関連すると言われている心臓のツボ、左H3を円皮針でモミモミ♪
 口腔内・舌の違和感ともに改善(3→1)。
 なぜ心臓と舌が関係するのか、私にはさっぱり分かりませんが(^^;、

 様子を見ながら、随時、治療を続けることにしました。

 →カテゴリ:★治療院のご案内

鍼灸症例:舌痛症 舌の痛みとシビレ、顎・耳の痛み、下唇・下顎のシビレ

 70歳代の女性。舌の痛みとシビレでお困りです。
 歯科と耳鼻科の画像検査・血液検査では異常は見つからず、舌痛症と診断されました。
 痛み止めの薬も効かず、心療内科・精神科に行くよう言われたそうです。
 患者さんの娘さんがネットで検索されて、藁をもつかむ思いでご来院されました。

 主な症状は、舌の痛みとシビレです。その他にも、下唇から顎にかけてのシビレ、
 頬から耳にかけての痛みと、ものを飲み込むときのノドの痛みなどがあります。
 症状のある部位は、いずれも右側だけ、真ん中から右半分のみです。

 病院の検査で舌の器質的異常が除外されていることと、詳しく教えてもらった症状から
 この患者さんの舌痛症を引き起こしているのは、首や顎周辺の筋肉のトラブルだと思いました。
 →カテゴリ:「舌の痛み・舌痛症」

 触って調べてみると、右側の頬や首の筋肉がパンパンに緊張して、少しむくみもあります。
 ちょっと軽く押さえるだけで、強い痛みを訴えます。病院では触診をしなかったのでしょうか??

 筋緊張と血流障害によって発痛物質が蓄積し、痛みやシビレを引き起こしていることと、
 首や顎の筋肉の痛みが、舌の痛みとして感じること(関連痛)を、かみ砕いて説明しました。

 初回
 顎から首にかけての多くの筋肉の筋緊張が著しいので、舌痛症の犯人を特定できません。
 とりあえず凝っている筋肉の圧痛点に片っ端から刺鍼して、筋緊張を緩めました。
 治療が終わる頃には舌や顎の痛みは半分以下になって、楽になったそうです。

 2回目(初回の翌日)
 前回の治療後、食事をしても痛まず、久しぶりに夜もグッスリ眠れたそうです。
 笑顔で声や表情が明るく、よくおしゃべりをするようになっています。
 付き添いの娘さんも、元の明るい母に戻った、と仰ります。
 前回と同様の治療を行いました。

 3回目(初回の3日後)
 痛みはさることながら、それよりも舌のシビレを非常に強く感じて辛いそうです。
 全体の筋緊張が大半解けてきたので、今回は怪しい筋肉をひとつずつ確かめてみました。

 咬筋の停止部の圧痛点への刺鍼で、耳の痛みと顎関節部の痛みが軽減(10→5)。
 胸鎖乳突筋への刺鍼で、舌の痛み(10→5)、耳の痛み、顎関節部の痛みも改善(5→0)。
 しかし、舌のシビレは全く改善なしです。まだ他にも犯人が潜んでいるようです…。

 外側翼突筋を狙って、下関穴に刺鍼。変化無し。
 上関穴から耳穴に向かって斜刺。舌の奥のシビレ(10→1)と、舌の奥の痛み(5→1)。

 内側翼突筋を狙って、下顎角から水平刺。
 舌の先のシビレ(10→1)、舌の奥の痛み(5→1)、下唇・下顎のシビレ(10→1)。

 まだ残っている「1」ですが、痛み・シビレがあるのか無いのかよく分からない程度だそうです。

 今度は、ものを飲み込むときのノドの痛みが気になるそうです。
 顎二腹筋後腹部の圧痛点に刺鍼。嚥下時痛が改善(10→2)。

 これなら普通に生活を送れそう^^と、総合評価を頂いたので略治としました。
 顎や首の筋緊張や血流障害が、この患者さんの舌痛症の犯人だったようです。
 直貼などで温めて血行を良くすることと、しばらく固いものを食べないよう指導して終了しました。

 →カテゴリ:★治療院のご案内

鍼灸症例:舌痛症 舌先のヒリヒリした痛み 原因は、顎コリ・首コリ・肩こり

 40歳代女性。舌の先にヒリヒリとした痛みがあります。
 口腔外科では「舌痛症」と診断され、薬を飲んでいましたが改善はイマイチです。
 舌痛症のほかに、慢性的な首コリ・肩こりや、最近まであった顎関節症がなどがあります。

 舌痛症という診断は、舌そのものに病巣は無いということです。
 既往歴と現病歴から、咀嚼筋や首・肩の筋肉からの関連痛の可能性を疑いました。
 →カテゴリ:「舌の痛み・舌痛症」

 顎や首を動かしてもらって、舌の痛みに変化があるかどうかを調べました。
 症状が悪化するのは、歯をグッと強く食いしばったとき、頭を下に向けたとき(前屈)、
 そして、頭を左右に回したとき(左右回旋)の3つの動作です。
 その他の動作は、変化なし。症状がマシになる動作はありませんでした。

 悪化動作から目星を付けた筋肉を押さえると、症状が改善する点がいくつかありました。
 頬の咬筋、首の胸鎖乳突筋、肩の僧帽筋上部線維、肩甲間部の脊柱起立筋。
 これらの筋上の改善点に、症状の変化を確認しながら直接刺鍼&円皮針。
 治療前の舌の痛みの程度を10としたら、治療後は3~4くらいにまで改善。

 舌痛症の原因と治療法が分かったので、しばらく頻繁に治療すれば治っていくでしょう。

 →カテゴリ:★治療院のご案内

鍼灸症例:舌痛症 舌の痛み・シビレ ~真犯人は首コリ!~

 40歳代の女性。舌の奥のノドに近い左側に常に痛みとシビレを感じます。
 舌の痛み・シビレ以外に、耳の詰まり感、左首・肩の痛みがなどがあります。
 舌痛症や耳の閉塞感などの症状は、10年ほど前から続いているものです。
 今までいろいろな治療を試したものの、残念ながら症状には全く改善が無かったそうです。

 まずは症状の確認です。
 首を色々な方向に動かして、症状が変化するかどうかを教えてもらいました。
 首の前屈・左回旋・左側屈・右側屈・左前斜屈の動作で、舌の症状は悪化。
 後屈・右回旋では軽減。

 首の運動で症状が変化するのは、首を動かすための筋肉のトラブルが考えられます。
 器質的な異常が見つからない舌痛症は、顔面や首の筋肉のコリが原因であることが多いです。
 →カテゴリ:「舌の痛み・舌痛症」 

 顔面部や下顎部、頚部を調べると、胸鎖乳突筋を押さえると舌の症状が悪化しました。
 首の動作と総合すると、この筋肉のトラブルが舌痛症を引き起こしているようです。
 →外部リンク:「Google画像検索 - 胸鎖乳突筋」

 まずは経筋治療や局所への円皮針など、遠隔・軽微な刺激から治療を行いました。
 それぞれ改善はあるもののイマイチだったので、左の胸鎖乳突筋に直接刺鍼。

 仰臥位で胸鎖乳突筋をつまみ上げ、圧痛点に雀琢・置鍼(1寸3分-02番)。
 これで舌の痛み・シビレが、10→4.5くらいに改善。
 今度は側臥位で乳様突起の周辺や筋腹の圧痛点に雀琢・置鍼。
 これで症状は、ほとんど感じないほどに改善。(4.5→0)

 これまで改善しなかった舌痛症の原因と治療法が見つかって、患者さんの表情も和らぎました。

 仕上げに、リバウンド(症状のぶり返し)を防ぐために、浅刺・呼気時・坐位の刺鍼法。
 長年にわたって首コリが解消されず痛みが慢性化して、悪いクセになっていた状態です。
 少々リバウンドがあるでしょうが、頻繁に治療して、脳のエラーを書き換える必要があります。

 →カテゴリ:★治療院のご案内
ブログのご案内

はりきゅう中村@大阪

Author:はりきゅう中村@大阪

 心身相関の考えから、身体の健康とメンタルヘルスに取り組んでいます。より簡単・安全で、より効果的なセルフケア(家庭治療)を紹介しています。
 また、病気を予防・回復させる生活改善も提案しています。
 みなさまのご健康に、少しでもお役立て頂ければ幸いです。
 また、どんな事でもお気軽に、ご質問・ご相談ください。
 応援、よろしくお願いします。

ブログ内を検索
カテゴリ一覧
井穴刺絡の治療院リンク