神経のはたらき過ぎを抑える治療 ~井穴刺絡療法~

 自律神経は、体内環境を正常の範囲内に保つはたらきをしています。
 交感神経と副交感神経がうまく協調しているときは問題ありません。
 少々のストレスで体内環境が乱れても、元の範囲内に戻してくれます。

 しかし、ストレスの質や量が大きすぎると、自律神経のはたらきに異常を起こします。
 その結果、心身にさまざまな病気や症状が引き起こされてしまいます。
 →カテゴリ:「自律神経のはたらき」

 ならば、自律神経のはたらきを正常に戻してやれば、症状は自然と治るのではないでしょうか。

 はりきゅう治療のひとつに、「井穴刺絡」(せいけつしらく)と呼ばれる施術方法があります。
 井穴刺絡の刺激が、神経のはたらき過ぎを抑える作用があることを、横浜の医師である
 故・浅見鉄男先生が発見されました。
 そして、その効能を研究し、井穴刺絡学として治療法を体系化させました。
 現在、福岡の井穴刺絡研究会・ぎんなん治療院の先生たちが啓蒙・普及に努められています。
 →外部リンク:「井穴刺絡研究会」

 井穴刺絡では、症状に見合ったツボを選んで刺激します。
 筋肉のコリ、つっぱり、関節を自由に動かせない、などの「運動神経」の治療。
 痛み、シビレ、かゆみ、冷感、むずむず感などの「感覚神経」の治療。
 肺や心臓、胃腸や肝臓、腎臓などの内臓を調節している「自律神経」の治療。
 そして、喘息やアトピー、花粉症などの「アレルギー」の治療も出来ることが最大の特徴です。

 では、井穴刺絡療法とは、具体的にはどのような治療方法なのでしょうか。
 →次記事:「井穴刺絡ってどんな治療? ~誰がやっても効果は同じ!~」

井穴刺絡ってどんな治療? ~誰がやっても効果は同じ!~

 はりきゅうの治療法のひとつに、「井穴刺絡」(せいけつしらく)と呼ばれる施術方法があります。
 「井穴刺絡」には、神経のはたらき過ぎを抑える効果があります。
 →前記事:「神経のはたらき過ぎを抑える治療 ~井穴刺絡療法~」

 「井穴」(せいけつ)とは、手や足の指先にあるツボのグループ名のことです。
   手足の井穴図手足の井穴図
 「刺絡」(しらく)は、専用の鍼(はり)を皮膚に刺し、出血刺激を加える施術方法です。
 つまり、「井穴刺絡」とは、「指先のツボに出血刺激を加える鍼灸施術方法」です。

 治療方法は、いたって簡単!
 やる気があれば、患者さん自身、そのご家族さんでも出来ます。
 誰がやっても効果は同じです。ベテランの先生でも、今日習った患者さんでも同じです。
 しかも治療の直後に効果が出るので、効果の有無が、すぐに分かります
 →カテゴリ:「井穴刺激のやり方」

 井穴刺絡療法は、たいていの人に効果があります。
 しかし、どんな治療法でもそうですが、井穴刺絡療法も万能ではありません。
 たとえ同じ症状の患者さんでも、効果のある人と、そうでない人がおられます。
 ですが、これほど簡単に出来て再現性の高い治療は、セルフケアにはピッタリだと思います。

 井穴刺絡は、人間の身体に元から備わっている仕組みを利用した治療法です。
 神経のはたらき過ぎを抑える効果がありますので、身体を害することも少ないです。
 副作用は、「痛い(ほぼ無痛)」、「熱い(我慢出来る程度)、「出血」くらいでしょうか(^^;
 セルフケアの治療道具の費用も高額ではないので、お財布にも優しい治療法です。

 →次記事:「井穴刺絡のツボ一覧 ~井穴の効能・効果の早見表~」

井穴刺絡のツボ一覧 ~井穴の効能・効果の早見表~

 「井穴刺絡療法」では、例えば腰が痛い場合、患部の腰に鍼をすることはありません。
 指先のツボ(井穴)に刺絡やお灸をしたりして、腰痛を治してしまいます。
 →前記事:「井穴刺絡ってどんな治療? ~誰がやっても効果は同じ!~」

 鍼灸の世界では、「経絡」(けいらく:身体のエネルギーが流れる道)という考え方があります。
 さきほどの腰痛の例で言えば、患部の腰を通る「経絡」の末端のツボ(井穴)を刺激します。
 井穴への刺激は、その経絡上の「痛み」や「つっぱり」などの異常を改善させる効果があります。

 実のところ、「ツボ」や「経絡」については、現在の科学では未だに解明できていません。
 なぜ効果があるのか分かりませんが、まるで、タネの分からない手品のようなものです。
 はりきゅう治療をしてる私自身も、いつも人体のメカニズムを不思議に思っています。

 井穴の効果・効能を簡単に記しますので、個別の病気や症状については、
 左記のカテゴリ一覧の中から、あなたの気になる症状をご覧下さい。


 【交感神経を抑えるツボ】 H6・F4 発熱や高血圧など、全身にかかわる症状に
 →記事:「交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボ」

 【副交感神経を抑えるツボ】 H5・F5 いわゆるアレルギー症状に
 →記事:「副交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボ」

 【心臓のツボ】 H3 動悸・頻脈など、心臓の症状に
 →記事:「心臓のツボ ~1日10万回もドキドキしてます!~」

 【肺のツボ】 H1 風邪や肺炎など、呼吸器の症状に
 →記事:「肺のツボ ~鼻・のど・気管支~」

 【胃腸・膵臓のツボ】 左F1・F6 胃腸や膵臓など、消化器の症状に
 →記事:「胃腸のツボ ~口唇から肛門までの長い道のり~」

 【肝臓のツボ】 右F2・F6 飲み過ぎや肝炎など、肝臓の症状に
 →記事:「肝臓のツボ ~飲み過ぎ食べ過ぎには気をつけて!~」

 【腎臓・膀胱のツボ】 F3 腎臓や膀胱など、泌尿器の症状に
 →記事:「腎臓のツボ ~毎日お風呂の半杯分の血液をキレイにしてます!~」
 →記事:「膀胱のツボ ~蛇口を締めるも緩めるも、自律神経次第!~」

   手足の井穴図手足の井穴図

交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボ ~心身をゆるゆるにさせます~

 全身の交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボ。
 それは、手の人差し指にあるH6と、足の小指にあるF4のツボです。
   手足の井穴図手足の井穴図
 これらのツボに、刺絡をするか、円皮針を貼るか、お灸をします。
 →カテゴリ:「井穴刺激のやり方」

 これらツボは、疲労や不眠、イライラ、パニック、高血圧など、
 全身にかかわる病気や症状のときに刺激をします。

 また、胃腸や肝臓など、特定の臓器の交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボを使うときに
 その効果を増強さるはたらきもあります。

 交感神経のはたらき過ぎを抑えると、相対的に副交感神経のはたらきが高まります。
 さらに、もっと積極的に副交感神経を高めたいときは、これらのツボを刺激した後に
 「自然治癒力を高める刺激法」をすれば良いでしょう。
 →記事:「副交感神経を高める方法 ~自然治癒力・抵抗力の高め方~」

副交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボ ~心身に喝!を入れます~

 全身の副交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボ。
 それは、手の薬指にあるH5と、足の薬指にあるF5のツボです。
   手足の井穴図手足の井穴図
 図では薬指の外側ですが、内側(中指側)でも、副交感神経のはたらき過ぎを抑えてくれます。

 左右の手足の薬指のツボで、計4つあります。どのツボでも、全身に作用します。
 症状が軽ければ、1つのツボを刺激するだけで足りるかも知れません。
 でも、症状が強い場合は、4つのツボとも刺激をする必要があります。

 これらのツボに、刺絡をするか、円皮針を貼るか、お灸をします。
 →カテゴリ:「井穴刺激のやり方」

 これらツボは、蕁麻疹や喘息、花粉症などのアレルギーに有効です。
 他にも、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・せき、かゆみ、吐き気・腹痛・下痢、
 めまい、微熱、だるさ、脱力感などの症状のときにも有効です。
 →カテゴリ:「副交感神経とアレルギー」
 →記事:「自律神経失調症に効くツボ その2 ~副交感神経のはたらき過ぎるタイプ~」

 ある一派の治療家の先生方が、「薬指は交感神経を刺激するから良くない」とか、
 「リンパ球が減って免疫力が落ちてガンになる」などと広めてしまいました。
 しかし数々のデータの結果、現在では、この考えを改めておられるようです。
 それどころか、薬指も含めた5本の指の爪もみを推奨されています。

 はりきゅう治療は、身体の仕組み(体性-自律神経反射)を利用した治療法です。
 はたらき過ぎを抑えるだけなので、正常なはたらきを邪魔することはありません。
 ですから、安心して薬指を刺激してくださいね。

 ストレス解消にはリラックスが良いと言いますが、ボーっと過ごしたり、スイーツを食べたり
 一般的にリラックスする行為というものは、副交感神経のはたらきを高めてしまいます。

 副交感神経のはたらき過ぎを抑える、最も安全&確実な方法は、運動です。
 筋肉を動かすことは、副交感神経のはたらき過ぎを抑え、交感神経を高めてくれます。
 また、ストレスに打たれ強い心身を作ってくれますよ。
 →カテゴリ:「ストレスマネージメント」

肝臓のツボ・胆のうのツボ ~飲み過ぎ食べ過ぎには気をつけて!~

 肝臓といえば、お酒(アルコール)を真っ先にイメージしますよね(^^;
 肝臓は多少調子が悪くなってもとくに症状は出ず、黙々とその役割を果たします。

 アルコールなどの有害物質の分解したり、吸収した栄養素からタンパク質を合成したりします。
 また、胆汁を作って食物の消化を助け、糖分や脂肪を蓄えるなど、栄養の管理も行います。 

 様々な物質の分解・合成を行う化学工場で、化学反応の発熱は体温の熱源にもなります。

 【肝臓のツボ】 右F2・F6
 肝臓は右上腹部で肋骨の中に位置してますが、肝臓が悪くなってもお腹が痛むことは稀です。
 右側の肩の痛みや背中の痛み・張り感などの筋肉の症状として現れることもあります。

 右肋骨下に指を押し入れると苦しかったり、二日酔いや肝炎・脂肪肝・肝硬変など
 肝臓の疲労・炎症などを改善するツボは、右足のF2・F6(親指・人差し指)です。
   手足の井穴図手足の井穴図
 これらのツボに、刺絡をするか、円皮針・ピソマを貼るか、お灸をします。
 →カテゴリ:「井穴刺激のやり方」

 【胆のうのツボ】 右F5
 胆のうは、肝臓の裏側にある袋状の臓器で、胆汁を濃縮・貯蔵・分泌する役割があります。
 胆のうが悪いと、肝臓と同様に、右肩や背中の痛みとして症状が現れることもあります。

 胆のうの病気で一番有名(?)な胆石は、貯蔵している胆汁が石のように固まった物です。
 この胆石が胆汁の排出を塞いで炎症を起こしたり、排出管を無理に通ると激痛に見舞われます。

 そんな胆のうの状態を改善させるツボは、右足の薬指にあるツボ 右F5 です。

 さて、これらツボが本当に効いているのかどうか、実際にお腹を押さえて確かめてみましょう。
 →記事:「そのツボ、効いてますか? その1 ~お腹のツボの効果の確かめ方~」

胃腸のツボ ~口唇から肛門までの長い道のり~

 食べた物が知らない間に消化・吸収されて血肉となるのも、胃腸のはたらきのおかげです。

 口から始まって肛門で終わる長い1本の管を、消化管と言います。
 場所によって、口腔・のど・食道・胃・十二指腸・小腸・大腸 などと呼び名が変わります。
 消化液・消化酵素を分泌したり、くねくね動いて内容物を送り出しています。

 食欲が湧いたり、便意を催したりするのは、どんなときでしょうか?

 忙しく何かに熱中しているときは、お腹も空かなければ、トイレにも行かないですよね(^^;
 ハッスル・活動モードの交感神経が優位なときは、胃腸のはたらきは抑えられています。

 リラックス・休息モードの副交感神経が優位になると、胃腸のはたらきが活発になります。
 忙しさから解放されて気がゆるんだときに、お腹がグ~♪って鳴りますもんね^^
 →カテゴリ:「ストレスと自律神経」

 【交感神経のはたらき過ぎ】 左F1・F6
 胃腸の交感神経が活発になり過ぎると、胃腸のはたらきが悪くなります。

 唾液の分泌が減って口渇・ドライマウス、胃粘膜を胃酸から守る胃粘液が減って胃炎・胃痛、
 胃腸の動きが鈍って食欲不振や胃もたれや弛緩性便秘、痔などの症状が出やすくなります。

 そんな胃腸の交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボは、左足のF1・F6(親指と人差し指)です。
   手足の井穴図手足の井穴図
 これらのツボに、刺絡をするか、円皮針・ピソマを貼るか、お灸をします。
 →カテゴリ:「井穴刺激のやり方」

 【副交感神経のはたらき過ぎ】 左右H5・F5
 胃腸の副交感神経がはたらき過ぎると、胃腸の過剰な運動・排泄による症状が出てきます。
 胃腸の強い収縮/拡張による胃痛、腹痛、痙攣性便秘や、吐き気・嘔吐、下痢などの症状です。

 そんな胃腸の副交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボは、手足の薬指 H5・F5 です。
 →記事:「副交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボ ~心身に喝!を入れます~」

 さて、これらのツボが、本当に効いているのかどうか、お腹を押さえて確かめてみましょう。
 →記事:「そのツボ、効いてますか? その1 ~お腹のツボの効果の確かめ方~」

膀胱のツボ ~蛇口を締めるも緩めるも、自律神経次第!~

 お通じが無い日があっても、オシッコに行かない日はありませんよね(^^;
 尿を溜めたり出したりする袋状の臓器が膀胱で、下腹部の恥骨の上あたりに位置してます。

 膀胱の蓄尿・排尿のコントロールは、自律神経(交感神経と副交感神経)が行っています。
 →カテゴリ:「ストレスと自律神経」

 【交感神経のはたらき過ぎ】 左右F3
 膀胱の交感神経は、膀胱を膨らませ&蛇口(膀胱括約筋)を締めることで蓄尿させます。 

 この交感神経がはたらき過ぎると、尿の出が悪くなってきます。
 尿に勢いがなくなったり、全部出し切れず残尿感を覚えるなど、排尿のトラブルが生じます。
 また、細菌に過剰に反応して炎症が起こり、排尿痛や血尿などが起きやすくなります。

 そんな膀胱の交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボは、足の小指の内側 F3 のツボです。
 実は先ほど紹介した、腎臓のツボと同じツボです。
 →前記事:「腎臓のツボ ~毎日お風呂の半杯分の血液をキレイにしてます!~」
   手足の井穴図手足の井穴図
 これらのツボに、刺絡をするか、円皮針・ピソマを貼るか、お灸をします。
 →カテゴリ:「井穴刺激のやり方」

 【副交感神経のはたらき過ぎ】 左右H5・F5
 膀胱の副交感神経は、膀胱を縮ませて&蛇口を緩めることで、溜まった尿を排泄させます。

 この副交感神経がはたらき過ぎると、膀胱が過敏になって、トイレが近くなります。
 少し溜まっただけで尿意を覚えたり、我慢できずに尿漏れ・尿失禁などのトラブルが生じます。

 そんな膀胱の副交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボは、手足の薬指 H5・F5 のツボです。
 →記事:「副交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボ ~心身に喝!を入れます~」

 さて、これらツボが、本当に効いているのかどうか、お腹を押さえて確かめてみましょう。
 →記事:「そのツボ、効いてますか? その1 ~お腹のツボの効果の確かめ方~」

腎臓のツボ ~毎日お風呂の半杯分の血液をキレイにしてます!~

 普段の生活で、腎臓なんてあまり意識しませんよね(^^;
 腎臓はソラ豆の形をした尿を作り出す臓器で、腰のあたりにあります。

 私たちが飲んだ水分は、直接おしっこになるのではなく、胃腸で吸収されて血流に入ります。
 そして血液中のアンモニアなど有害物・老廃物を、腎臓が水分と一緒に排泄するのです。
 血液中のタンパク質やブドウ糖など、必要な物質は漏らさないよう取捨選別を行っています。

 【腎臓のツボ】 左右F3
 腎臓の調子が悪くなると、腰や背中の痛みとしてが症状が出ることもあります。
 またタンパク尿や血尿などの異常や、尿量が減って排泄されない毒素が体内に蓄積します。

 そんな腎臓の状態を改善するツボは、両足の小指の内側にある F3 のツボです。
   手足の井穴図手足の井穴図
 このツボに、刺絡をするか、円皮針・ピソマを貼るか、お灸をします。
 →カテゴリ:「井穴刺激のやり方」

 さて、腎臓のツボが本当に効いているのかどうか、お腹を押さえて確かめてみましょう。
 →記事:「そのツボ、効いてますか? その1 ~お腹のツボの効果の確かめ方~」

呼吸器系のツボ ~鼻・のど・気管支・肺~

 鼻から吸った空気は、鼻→のど→気管→肺 へと届けられます。
 生命活動に必要な酸素を吸って、不要な二酸化炭素を吐き出すのが呼吸です。
 呼吸にまつわる鼻腔・咽頭・気管支・気管・肺などを、まとめて呼吸器系と言います。

 私たちが酸素をより多く必要とするのは、日中や運動時など心身の活動が盛んなときです。
 反対に、夜間の睡眠時など安静にしているときは、酸素はそれほど必要ではありません。

 ある程度は自分の意志で呼吸を行えますが、基本的に自律神経によって調節されています。
 呼吸器系は、活動モードの交感神経によって高まり、休息モードの副交感神経で抑えられます。
 →カテゴリ:「ストレスと自律神経」

 呼吸器系の交感神経がはたらき過ぎると、呼吸が浅く速くなってしんどくなってきます(過呼吸)。
 副交感神経がはたらき過ぎると、呼吸が止まりそうになって息苦しくなります(気管支喘息)。

 交感神経・副交感神経が不必要にはたらき過ぎると、どちらも困った症状が出てくるのです。

 【交感神経のはたらき過ぎ】 左右H1
 呼吸器系の交感神経がはたらき過ぎると、過呼吸だけなく炎症や痛みなども生じてきます。
 鼻水・後鼻漏・痰(黄緑色のドロッとした性状)、のどの痛み、声がれ などの症状です。

 炎症が慢性化すると臓器の破壊が進んでしまい、重症化してしまうこともあります。
 気管支炎や肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など、命に関わる病気にもなります。

 そんな呼吸器系の交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボは、手の親指の内側 H1 です。
   手足の井穴図手足の井穴図
 これらのツボに、刺絡をするか、円皮針・ピソマを貼るか、お灸をします。
 →カテゴリ:「井穴刺激のやり方」

 【副交感神経のはたらき過ぎ】 左右H5・F5
 呼吸器系の副交感神経がはたらき過ぎると、喘息をはじめ、アレルギー症状が生じてきます。
 白色透明でサラッとした鼻水・後鼻漏・痰やクシャミ、鼻づまり、息苦しさ などの症状です。
 →カテゴリ:「副交感神経とアレルギー」 

 そんな呼吸器系の副交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボは、手足の薬指 H5・F5 です。
 →記事:「副交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボ ~心身に喝!を入れます~」

 呼吸器系のツボが本当に効いているのかどうか、実際に確かめてみましょう。
 →記事:「そのツボ、効いてますか? その2 ~心臓・肺のツボの効果の確かめ方~」

心臓のツボ ~1日10万回もドキドキしてます!~

 身体は動いていると疲れてきますが、心臓はそう簡単には疲れません。
 もし疲れて動かなくなったら、おしまいですからね(^^;
 心臓は酸素や栄養素を含む血液を全身に送り出すポンプのはたらきをしています。

 ポンプである心臓の鼓動は、機械のように一定では無く、常に変動しています。

 運動しているときや怒り・恐怖を感じているときは、強く速く脈打ちます。
 安静にしているときや落ち着いているときは、弱くゆっくりになります。

 心臓の鼓動の強さ・速さは心身の活動状態に応じて、自律神経によって調節されています。

 心身が活動モードで交感神経が優位なときは、心臓の鼓動は強く速くなります。
 心身が休息モードで副交感神経が優位なときは、心臓は鼓動は弱く遅くなります。
 
 【交感神経のはたらき過ぎ】 左右H3
 心臓の交感神経がはたらき過ぎると、必要以上に心臓が動きすぎて負担がかかります。
 ちょっと動くだけで息切れしたり、ドキドキ速く脈打ったり(頻脈)、胸が苦しくなります。

 そんな心臓の交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボは、手の小指の内側 H3 です。
   手足の井穴図手足の井穴図
 このツボに刺絡をするか、円皮針・ピソマを貼るか、お灸をします。
 →カテゴリ:「井穴刺激のやり方」

 【副交感神経のはたらき過ぎ】 左右H5・F5
 心臓の副交感神経がはたらき過ぎると心臓の動きが鈍くなり、身体を動かしにくくなります。
 活動で酸素の需要量が増えるのに、心ポンプが弱くて供給が追いつかなくなるからです。

 また、心臓そのものに酸素を送る血管(冠動脈)が痙攣する異型狭心症にもつながります。

 そんな心臓の副交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボは、手足の薬指 H5・F5 です。
 →記事:「副交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボ ~心身に喝!を入れます~」

 これらの心臓のツボが、効いているのかどうか、実際に確かめてみましょう。
 →記事:「そのツボ、効いてますか? その2 ~心臓・肺のツボの効果の確かめ方~」

そのツボ、効いてますか? その2 ~心臓・肺のツボの効果の確かめ方~

 あなたはちゃんと息を吸えていますか?

 呼吸で酸素を取り入れて、全身に送るはたらきがある臓器は、「肺」と「心臓」です。
 鼻炎や喘息、心不全など、なにか呼吸器系や循環器系の病気をお持ちでない人は、
 あまり普段、呼吸のしやすさ(しにくさ)について、あまり意識をしないかと思います。

 急に風邪を引いて肺炎になったら、呼吸がしにくいと感じるかも知れません。
 しかし、長年かけて徐々に吸いにくくなっていたら、気づかないのものです。
 吸いにくいのが「普通」になってしまっています。

 あなたの「普通」の呼吸が「正常」なのか。実際に治療をして確かめてみましょう。

 息を吸うには、まず息を吐き出さなければなりません。
 息を吐けるだけ吐いて、出来るだけ全部吐き切ってください。
 そして、一気に息を吸い込んでください。

 このときの空気の入りやすさを観察してください。
 空気はどこまで入っている気がしますか?胸の高さ?みぞおち?おへそ?下腹?
 空気は狭いところを通るような感じですか?広い道を通って入ってきますか?
 空気の入り具合は目で見えないので、あくまであなたの感じ方です。
 そのイメージを、よ~く覚えておいてください。

 まずは心臓の疲れをとるツボは、手の小指H3ツボです。
 →記事:「心臓のツボ ~1日10万回もドキドキしてます!~」
   手の井穴図手の井穴図
 このツボに、刺絡をするか、円皮針を貼るか、お灸をします。
 →カテゴリ:「井穴刺激のやり方」

 ツボ刺激の後、再度、息を全て吐き切ってから、一気に息を吸い込んでください。
 息が深く吸えるようになったり、広く入ってくるようであれば、心臓がお疲れのようです。

 次は、呼吸器(気管・肺など)の疲れをとるツボは、手の親指H1です。
 →記事:「肺のツボ ~鼻・のど・気管支~」
 先ほどと同じく、ツボ刺激の前後で、呼吸のしやすさを比べてみてください。

 最後に、心臓や呼吸器の副交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボ、手の薬指H5です。
 →記事:「副交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボ ~心身に喝!を入れます~」
 心臓の血管(冠動脈)を広げたり、心ポンプを強めたり(強心作用)、気管支を広げたり、
 血管や呼吸器の粘膜のうっ血を改善させることで呼吸をしやすくさせるはたらきがあります。

 どうですか?ツボ刺激の効果を実感できましたか?
 →前記事:「そのツボ、効いてますか? その1 ~お腹のツボの効果の確かめ方~」

そのツボ、効いてますか? その1 ~お腹のツボの効果の確かめ方~

 ツボの本には、「~に効くツボ」と色々と紹介されていますね。
 ツボを刺激して、あなたの抱える症状がその場でパッと消えれば、効果を実感できますよね。
 たとえ一度のツボ刺激で明らかな症状の改善を実感できなくても、
 その刺激で、身体には何らかの変化が起きているハズです。
 何も変化が無いと、この先同じツボを刺激し続けても、改善はみられないからです。

 皮膚や筋肉の痛みであれば、ツボ刺激の前後で、痛みの変化を確かめることが出来ます。
 しかし、内臓のツボに関しては、変化を実感しにくいと思います。

 ということで、内臓のツボが効いているのか、効いていないのか、実際に確かめてみましょう。

 まずは足を伸ばして仰向けに寝てください。
 そしてお腹の全体あちこちを指1本で押さえてみましょう。
 押さえて痛い点、苦しい点、硬い点、イヤな感じがする点、どこか別の場所に響く点など
 ほかと違った不快感のある点に、マジックペンなどで印を付けてください。

 このとき、お腹を見ようとして頭を持ち上げないでください
 お腹の筋肉に余計な力が入って、お腹の状態が変わってしまいます。

 印を付けた不快な点を、もう何度か押さえてみてください。
 押さえているうちに不快感が無くなってきた点は消してください。
 何度押さえても不快な点が、治療すべき本当に悪い場所です。
   お腹の圧痛とツボお腹の圧痛とツボ

 【右の肋骨の際の圧痛点】
 右上腹部の肋骨下の中には、肝臓や胆のうがあります。
 大事な臓器なので、肋骨というカゴで守られているのです。
 その右の肋骨の際を、肋骨の下に潜り込ませるように指で押さえてみてください。
 指を押し込んで痛かったり、苦しかったり、硬くて抵抗がある場合は、
 もしかしたら、肝臓がお疲れなのかも知れません。

 肝臓に効くツボは、右足のF2・F6です。
 →記事:「肝臓のツボ ~飲み過ぎ食べ過ぎには気をつけて!~」
   足の井穴図足の井穴図
 これらのツボに、刺絡をするか、円皮針を貼るか、お灸をします。
 →カテゴリ:「井穴刺激のやり方」

 ツボを刺激したら、再度、右肋骨の際の不快な点を押さえてください。
 刺激前よりも苦痛が軽減していたり、硬さが柔らかくなっていれば、そのツボは効いています。
 まだ不快感が残っている場合は、胆のうのツボ、左F5を刺激して、再度確認してください。

 【おへその横・恥骨の上の圧痛点】
 おへその横あたりのお腹の奥深く、お腹と言うよりも背中に近い場所に腎臓があります。
 このあたりを押さえたり、もしくは腰を握りこぶしでトントン叩くと不快感がある場合は、
 もしかしたら、腎臓がお疲れなのかも知れません。

 また、お腹の下の方、恥骨の上あたりには膀胱があります。
 この場所を押さえて不快感がある場合は、もしかしたら膀胱がお疲れなのかもしれません。

 腎臓に効くツボ、膀胱に効くツボは、どちらも足の小指F3です。
 →カテゴリ:「腎臓・膀胱のツボ」
 
 ツボを刺激したら、再度、先ほどの不快だった点を押さえてください。
 まだ不快感が残っている場合は、次の胃腸のツボを刺激してください。

 【お腹全体のあちこちの圧痛点】
 上の肋骨から、下の骨盤の骨で囲まれた部分には、胃腸(消化管)があります。
 胃腸の不快点は、先ほどの、肝臓・胆のう、腎臓・膀胱などと範囲が重なる部分があります。
 これまでのツボで解消しきれなかった不快感のある点は、胃腸の疲れなのかもしれません

 胃腸に効くツボは、左足のF1・F6です。
 →記事:「胃腸のツボ ~口唇から肛門までの長い道のり~」

 ツボを刺激したら、再度、先ほどの不快な点を押さえてください。
 変化(改善)があれば、それらのツボは効いていますので、しばらくツボ刺激を続けてください。
 どこを押さえても不快感が無くなるころには、あなたの症状は良くなっているハズです。

 【みぞおちの圧痛点】
 みぞおち(心窩部)の不快感というのは、非常に判別が難しいです。
 肝臓・胃腸などの腹腔内や、心臓・肺などの胸腔内の臓器の異常が反応点として出てきます。
 たとえば、右下腹部にある虫垂(いわゆる盲腸)の炎症でも、みぞおちが痛むのです。

 肝臓や胃腸、腎臓・膀胱などのお腹のツボ刺激でも、みぞおちの不快感が改善しない場合は、
 もしかしたら、心臓や肺が疲れているのかもしれません。
 →次記事:「そのツボ、効いてますか? その2 ~心臓・肺のツボの効果の確かめ方~」
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はりきゅう中村@大阪

Author:はりきゅう中村@大阪

 心身相関の考えから、身体の健康とメンタルヘルスに取り組んでいます。より簡単・安全で、より効果的なセルフケア(家庭治療)を紹介しています。
 また、病気を予防・回復させる生活改善も提案しています。
 みなさまのご健康に、少しでもお役立て頂ければ幸いです。
 また、どんな事でもお気軽に、ご質問・ご相談ください。
 応援、よろしくお願いします。

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