脂肪がなくては生きていけない ~八面六臂な脂肪~

 お腹に貯まった脂肪、なんとかしなきゃ…
 「体脂肪」 イコール 「余計な物」、「病気の元」 と思われるかも知れませんね。

 しかし体脂肪は、私たちの身体を作り、健康を維持する上で、必要不可欠なのです。

 体内の脂肪には、大きく分けて3つの役割があります。
 1.身体の細胞膜の材料になります。細胞ひとつひとつは脂質の二重膜で覆われています。
 2.性ホルモンや副腎皮質ホルモンなど、ホルモンの材料になります。
 3.そして、皆さんがよくご存じの、エネルギー源としての脂肪です。

 脂肪は全身のあちこちにあります。
 気になる血液中の脂肪には、中性脂肪コレステロール、遊離脂肪酸などがあります。
 これらの脂肪は、細胞の材料やエネルギー源として全身の細胞に送り届けられます。

 そして余った脂肪は、脂肪細胞の中に貯蓄されていきます。いわゆる体脂肪です。
 皮膚の下にある脂肪細胞に蓄えられているのが 「皮下脂肪」 です。
 たぷたぷの二の腕や、ぷよぷよのお腹などの「贅肉」が皮下脂肪です。

 そして、メタボの凶源といわれている、お腹の内臓の周りにつくのが 「内臓脂肪」 です。
 高級料理で使われる網脂や、ホルモン焼きの腸の周りにあるアブラを想像してください(^^;

 外見や美容の問題や健康上の理由から、脂肪は悪者だと見なされがちです。
 しかし脂肪そのものが悪いわけではありません。
 脂肪がなければ、私たちは生きていくことが出来ません。
 正しく脂肪を摂ることで病気を防ぎ、私たちの健康を維持・増進させることが出来るのです。

 →次記事:「油物をやめれば太らない? ~体脂肪になるのは脂肪分だけではない!~」

油物をやめれば太らない? ~体脂肪になるのは脂肪分だけではない!~

 脂肪は、エネルギー源になったり、細胞膜やホルモンの材料にもなる重要な栄養素です。
 使い切れずに余った脂肪は、皮下脂肪や内臓脂肪として、身体に蓄えられます。
 →前記事:「脂肪がなくては生きていけない ~八面六臂な脂肪~」

 「普通」の食事で食べ過ぎてしまうと、脂肪太り(肥満)してしまうことがほとんどです。
 太るのを気にして、揚げ物や脂が乗ったお肉を控えている人が多いと思います。
 しかし残念ながら、食事から脂肪分を減らせば体脂肪が増えないワケではないのです(^^;

 そもそも、食べた物はどうやって体脂肪になるのでしょうか。
 食品中の脂肪分が体脂肪になることは、何となくイメージ出来ることでしょう。
 しかし体脂肪になってしまうのは、食事に含まれる脂質分だけではありません。
 ごはんやパン、麺類、ポテト、お菓子などに大量に含まれる糖質も体脂肪になるのです!

 食事から脂肪分を避けてしまうと、脂肪分の少ない他の食べ物でお腹を満たすことになります。
 動物性タンパク質(お肉)にも脂肪が多く含まれているので、タンパク質も避けがちになります。
 ヘルシー(?)な物を食べようとすると、行き着く先は、炭水化物・糖質になってしまいます。

 糖質は消化・吸収されると、ブドウ糖という物質に形を変えて血液中を流れます。
 →記事:「なぜ血糖値は上がるの? ~食後の血糖値を上げるのは糖質です~」

 血糖は常に一定量しか必要でないので、多くのブドウ糖は余ってしまいます。
 余ったブドウ糖は、グリコーゲンという形で筋肉に蓄えられますが、多く貯められません。
 それでも余ったブドウ糖は、体脂肪となって蓄積されてしまうのです。
 →カテゴリ:「精製炭水化物の害」

 脂肪分を気にするあまり、高炭水化物になった食事が、実は肥満を助長させていたのです(涙)
 ですので、体脂肪を減らそうとするならば、まずは食事から糖質を減らす必要があります。
 →記事:「食べてやせるダイエット ~無理なく続けてゆっくりキレイに減量~」

 脂肪の摂り過ぎは肥満のもとですが、摂らなければならない種類の脂肪があります。
 「普通」の食事をしていると過不足してしまって、病気を招いてしまう脂肪もあるのです。
 →次記事:「脂肪のとりすぎは体に悪い? ~必須脂肪酸は健康に必要不可欠な栄養素~」

脂肪のとりすぎは体に悪い? ~必須脂肪酸は健康に必要不可欠な栄養素~

 「脂肪の摂りすぎは体に悪い」 と言われていますよね。
 たしかに、肥満になってしまうほど食事から脂肪を摂るのは好ましくありません(^^;
 皮下脂肪や内臓脂肪になったり、脂肪肝などの異所性脂肪として体内に貯まっていきます。
 あなたの肝臓がフォアグラ状態になったり、筋肉が霜降り肉になってしまいます(涙)

 しかし、脂肪の成分である脂肪酸の中には、身体にとって必要なものがあります。
 現代人が摂り過ぎている種類の脂肪酸と、不足している種類の脂肪酸もあるのです
 →前記事:「油物をやめれば太らない? ~体脂肪になるのは脂肪分だけではない!~」

 私たちの健康にとって必要不可欠な脂肪酸を、「必須脂肪酸」と言います。
 必須脂肪酸は、ビタミンやミネラルと同様に、人間の体内では作り出すことが出来ません。
 ですから、必須脂肪酸を食事から摂る必要があるのです。

 必須脂肪酸には大きく分けて、「オメガ6」 と 「オメガ3」 の2つのグループの脂肪酸があります。
 大豆油や米油、ゴマ油、コーン油、ひまわり油、落花生油、紅花油、綿実油などの、
 植物油(いわゆるサラダ油)に多く含まれているオメガ6脂肪酸です。
 そして、イワシやアジなどのや、葉野菜・根菜に多く含まれているオメガ3脂肪酸です。

 オメガ6脂肪酸もオメガ3脂肪酸も、健康を維持する上で必要不可欠な栄養素です。

 しかし、それらの摂取量のバランスが重要なのです。
 オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の摂取比は、4:1 以下のバランスが望ましいとされています。
 現代人は、圧倒的にオメガ6脂肪酸の摂り過ぎで、オメガ3脂肪酸が足りていないのです。

 オメガ6脂肪酸は、揚げ物や炒め物、マーガリンやスナック菓子などに多用されています。
 「普通」の食生活をしていると、簡単にオメガ6脂肪酸は摂り過ぎになってしまいます。

 バランスを欠いた必須脂肪酸の摂り方をしていると、さまざまな現代病を招いてしまうのです。
 →次記事:「植物油を摂りすぎると ~慢性炎症・アレルギー・うつ病・動脈硬化~」

 参考文献
 『油の正しい選び方・摂り方』 奥山治美 農山漁村文化協会 2008

植物油を摂りすぎると ~慢性炎症・アレルギー・うつ病・動脈硬化~

 喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、
 血管の小さな炎症がそもそもの原因である、動脈硬化や脳梗塞・心筋梗塞。
 まさに現代は、炎症性疾患やアレルギー疾患の時代だと言われています。

 実は、そんな炎症やアレルギーには、必須脂肪酸のアンバランスが関わってします。
 →前記事:「脂肪のとりすぎは体に悪い? ~必須脂肪酸は健康に必要不可欠な栄養素~」

 体内の必須脂肪酸は、身体のはたらきを調節する物質(エイコサノイド)の原料になります。
 オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸から作られる調節物質は、正反対の作用をしています。

 現代人が摂り過ぎているオメガ6脂肪酸は、炎症やアレルギーを悪化させます。

 炎症を抑える消炎鎮痛剤や、アレルギーを抑えるステロイド剤(副腎皮質ホルモン)、
 喘息発作を抑える気管支拡張剤などは、オメガ6脂肪酸の作用を邪魔する薬剤なのです。
 つまり、オメガ6脂肪酸によって、炎症やアレルギー反応が引き起こされるのです。

 火に油を注ぐとは、まさに、オメガ6脂肪酸(サラダ油)のことです。
 サラダ油を多用した食事をしながら、抗炎症剤・ステロイド剤・抗アレルギー剤を使っても、
 ガソリンをまきながら、消火活動をするような、マッチポンプ行為なのです。

 オメガ6脂肪酸は、炎症やアレルギーを助長、慢性化させてしまうのです。

 反対に、現代人に不足のオメガ3脂肪酸には、炎症やアレルギーを沈静化させます。
 ほにも、血液を良くしたり、脳のはたらきを良くする(うつ病やADHD)作用があります。

 オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の摂取比を、4:1以下にすることによって、
 炎症やアレルギーを改善させ、血管や脳(精神)を健康にする事が出来るのです。

 では、そのためには、どのような油を選んで食事をすればよいのでしょうか。
 →次記事:「危険な油と安全な油 ~食用油の必須脂肪酸バランス~」

 参考文献
 『油の正しい選び方・摂り方』 奥山治美 農山漁村文化協会 2008

危険な油と安全な油 ~食用油の必須脂肪酸バランス~

 油の摂り方を変え、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の摂取バランスを良くすることで、
 慢性炎症性疾患やアレルギー疾患を改善させ、脳や血管も健康にすることが出来ます。
 →前記事:「植物油を摂りすぎると ~慢性炎症・アレルギー・うつ病・動脈硬化~」

 いくらオメガ3脂肪酸が健康に良くても、ただ単に摂る量を増やせばいいワケではありません。
 重要なのは、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の摂取バランスを、4:1 以下にすることです。
 オメガ6脂肪酸を減らすと同時に、オメガ3脂肪酸の摂取量を増やす必要があります。
 オメガ6脂肪酸を多く含むサラダ油を止めて、オメガ3脂肪酸を多く含む油に代える良いのです。

 まずは、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸は、どんな油に、どのくらい含まれているのでしょうか。
 下のグラフは、それぞれの食用油に含まれる脂肪酸のバランスを表したものです。
 第五訂増補食品成分表を参考に自作しました(^^;  →外部リンク:「文部科学省」

脂肪酸バランス

 グラフの上に位置する油脂ほど、オメガ6とオメガ3のバランスが悪い油です。
 オメガ6/オメガ3は4以下が目標ですが、健康に良いと言われているオリーブ油ですら11です。
 むしろ、身体に悪いと言われているバター(6.6)の方が、より「安全」なのです。

 ピーナツ(137)、アーモンド(1300)などのナッツ類を多量に摂っていると危険なのです。
 ましてや、パンにマーガリンを塗ったり、揚げ物やスナック菓子を毎日のように食べていると、
 薬で症状を抑えても、炎症やアレルギーがなかなか改善しないのも当然なのです(涙)

 では、どのような油を使えば、必須脂肪酸のアンバランスを是正できるのでしょうか。

 →次記事:「健康に良い油の選び方・使い方 ~シソ油・エゴマ油を使おう!~」

 参考文献
 『油の正しい選び方・摂り方』 奥山治美 農山漁村文化協会 2008

健康に良い油の選び方・使い方 ~シソ油・エゴマ油を使おう!~

 慢性炎症やアレルギー症状を改善させるためには、必須脂肪酸の摂取バランスが重要です。
 →記事:「危険な油と安全な油 ~食用油の必須脂肪酸バランス~」

 植物の種子などに多く含まれるオメガ6脂肪酸は、わざわざ摂らなくても足りています。
 米や大豆、卵や豚肉・鶏肉(穀物飼料由来)などを食べていると、意識しなくても摂れています。

 ですので、オメガ6脂肪酸を極力減らし、オメガ3脂肪酸を積極的に摂るために重要なのは、
 炒め物や揚げ物といった調理や、ドレッシングやマヨネーズに使う食用油の選び方です。

 オメガ3脂肪酸を多く含み、オメガ6/オメガ3比が4以下のは、シソ油・エゴマ油(0.22)です。
 「エゴマ」というのは「ゴマ」の仲間ではなく、シソ油と同じく青紫蘇の一種です。
 シソ油・エゴマ油を、炒め物やドレッシング・マヨネーズに使うようにしてください。
 国産のシソ油は透明でクセがありませんが、韓国製のは、エゴマの独特の風味があります。
 →外部リンク:「【楽天市場】しそ えごま 油 の検索結果」

 ただし、シソ油・エゴマ油は、酸化(引火)しやすいため、冷蔵庫で保管することと、
 長時間の高温調理には耐えられないので、揚げ物には使用しないでください。

 そして、揚げ物に使う油は、牛脂(20.24)を選んでください。
 牛脂(20.24)のオメガ6/3比は良くないですが、オメガ6脂肪酸の含有量が非常に少ないです。
 揚げ物調理以外の油に気を付ければ、必須脂肪酸のアンバランスへの影響は小さいです。
 その点では、炒め物にバター(6.64)を使うのも悪くありません。

 そして、葉野菜根菜類、アジやサバ、イワシなどのを積極的に食べるようにしてください。
 魚の油には、オメガ3脂肪酸(植物プランクトン由来)が豊富に含まれています。
 魚が苦手な人は、EPA・DHA(オメガ3脂肪酸の一種)をサプリで摂ると良いでしょう。

 サラダ油をシソ油や牛脂などに代えることで、必須脂肪酸のアンバランスが解消されます。
 食事全体のオメガ6脂肪酸:オメガ3脂肪酸を、2:1程度にまでに下げる事が出来ます。

 マーガリンをバターに代える。マヨネーズ・ドレッシングはシソ油で手作りする。
 植物油で揚げたポテトチップスなどのスナック菓子をやめる。
 出来る事から改善してください。

 あなたがお困りの慢性炎症、アレルギー症状が改善されますように!

脂肪酸バランス

 参考文献
 『油の正しい選び方・摂り方』 奥山治美 農山漁村文化協会 2008
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はりきゅう中村@大阪

Author:はりきゅう中村@大阪

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