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自律神経ってなに? ~自分の意志ではコントロール出来ません~

 「自律神経」 という言葉を聞いたことはありますか?
 「自律神経失調症」 であれば、耳にしたことがあるかも知れませんね。

 「神経」 という言葉は、「無神経な人」、「神経質な人」 というように
 心の動きや、感受性などの精神的なことの意味で使われることが一般的です。

 しかし、ここで言うところの 「神経」 とは、そのような意味ではありません。

 「神経」 とは、身体と脳をつなぐ電線のようなモノで、体内に実在する構造物です。
 本物の電線のように、実際に神経には電気が走っているのです!
 電気刺激によって、身体のあちこちに、さまざまな情報を伝えています。

 立ち座りなど、脳から筋肉に運動の命令を伝える神経が 「運動神経」 です。
 運動が苦手な人を指して、俗に 「運動神経が鈍い」 なんて表現しますよね(^^;

 痛みや寒さなど、身体の感覚を脳に伝える神経が 「感覚神経(知覚神経)」 です。
 冷水が歯にしみる知覚過敏は、歯の感覚神経が敏感に反応している状態のことです。

 そして、心臓や血管、胃腸など内臓のはたらきを調節する神経が 「自律神経」 です。
 心拍数や血圧、呼吸を調節したり、消化や排便など、内臓のはたらきをコントロールしています。

 「自律」 とは、「他からの支配とは無関係に、ルールに従って自動的に」 という意味です。
 つまり、自分の意志では思い通りにコントロール出来ない神経が自律神経なのです。
 自律神経の調子が悪いからと言って、決してあなたの意志や心が弱いのではありません。

 そんな自制不能な自律神経には、「交感神経」 と 「副交感神経」 の2種類があります。

 →次記事:「自律神経は2種類 ~活動の交感神経&休息の副交感神経~」
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自律神経は2種類 ~活動の交感神経&休息の副交感神経~

 自律神経は、心臓や血管、胃腸など内臓のはたらきを無意識に調節しています。
 自律神経のはたらきは、あなたの意志で自由にコントロールすることは出来ません。
 →前記事:「自律神経ってなに? ~自分の意志ではコントロール出来ません~」

 自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」の2種類の神経があります。

 【交感神経はアクセル】
 交感神経は、興奮・ハッスル、活動モードの体調を作り出します。
 活動モードのときは、元気いっぱいで集中力が高まり、やる気に満ちあふれています。

 しかし、交感神経がはたらき過ぎると、イライラしたり、目がさえて眠れなかったりします。
 ずっとアクセル全開で、頑張り過ぎでは疲れてしまいますからね。

 【副交感神経はブレーキ】
 副交感神経は、安静・ゆるゆる、休息モードの体調を作り出ります。
 休息モードのときは、おだやかで、余計な力も抜けて、優しい気持ちになれます。

 しかし、副交感神経がはたらき過ぎると、無気力になったり、朝起きられなくなってしまいます。
 ずっとノロノロ運転で、ダラダラしているのも良くありません。

 交感神経と副交感神経は、互いに牽制・協調し合って、身体を健康な状態に保とうとします。
 自律神経のはたらきである調節能力を 「自然治癒力」、「抵抗力」 などとも言います。

 では、交感神経と副交感神経には、具体的にどのようなはたらきがあるのでしょうか。

 →次記事:「交感神経は戦闘態勢モード ~ストレスと戦うか!ストレスから逃げるか!~」

自律神経のはたらき

交感神経は戦闘態勢モード ~ストレスと戦うか!ストレスから逃げるか!~

 交感神経は、興奮・ハッスル、活動モードの体調を作り出す自律神経です。
 日中などの活動時にはエネルギーを消費して、心身とも活発な状態になります。
 →前記事:「自律神経は2種類 ~活動の交感神経&休息の副交感神経~」

 本来、交感神経は、敵と遭遇したときに、闘争/逃走するための体調を作り出す神経です。
 敵を攻撃したり、走って逃げるための 「戦闘態勢モード」 の自律神経が、交感神経です。

 弱肉強食の原始時代に戻って、敵と遭遇したときの場面を想像してみてください。
 敵はトラやライオン、クマ、オオカミ、ヘビ、トカゲ、サメなど、人類をエサにする大型肉食獣です。
 あなたが生き延びるには、戦って勝つか全速力で逃げるか、のどちらかです。

 敵に対して行動を起こすために、交感神経が活発になります。
 呼吸や心臓の鼓動を速め、血圧を上げ、全身すみずみに酸素を送り込まれます。
 周囲の状況を把握するため、目が見開き、頭が冴えて集中力が高まります。

 体温が上がり、筋肉の緊張度も高まり、身体がキビキビ自由に動くようになります。
 また、体内の脂肪や糖分が分解されて、脳や筋肉へのエネルギーが供給されます。

 消化・吸収、排泄・生殖などのはたらきは、この際、不要なのでストップさせます。

 このような交感神経が作り出す体調は、敵と闘うときに必要な反応です。
 現代社会においては、「敵」=「肉体的・精神的ストレス」 です。
 ストレスに対して抵抗するため、交感神経が活発になります。

 しかし、ストレスが過ぎ去ったあとでも交感神経が鎮まらずに活発なままであったり、
 慢性的なストレスで交感神経がはたらき続けると、心身に様々なトラブルが生じてきます。
 交感神経は、熱しやすく冷めにくいのです。

 イライラ、不眠などのメンタル症状であったり、食欲不振や胃もたれ、便秘などの胃腸の症状
 動悸や息切れなど心肺の症状など、交感神経のはたらき過ぎによる症状が出てくるのです。

 →次記事:「副交感神経は省エネモード ~なりをひそめてストレスをやり過ごす~」

副交感神経は省エネモード ~なりをひそめてストレスをやり過ごす~

 自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があります。
 →記事:「自律神経は2種類 ~活動の交感神経&休息の副交感神経~」

 交感神経と副交感神経は、アクセルとブレーキのように、ほぼ真逆の体調を引き起こします。
 交感神経はストレスに抵抗するため、心身を活発な状態 「戦闘態勢モード」 にさせます。
 →前記事:「交感神経は戦闘態勢モード ~ストレスと戦うか!ストレスから逃げるか!~」

 副交感神経は、エネルギー消費を抑えて心身を休息させる 「省エネモード」 の神経です。

 副交感神経が活発になると、呼吸や心臓の鼓動がゆっくりになります。
 一方で、胃腸は活発になって消化吸収が高まり、身体にエネルギーを蓄えるようになります。
 大腸や膀胱も活発になって、体内の老廃物・毒素・異物など不要な物を体外に排泄します。
 血管を広げて血圧を下げ、体温を放熱して、心身をまったりくつろがせて眠気を誘います。

 日中の活動で傷ついた心身の回復に努める自律神経が副交感神経です。

 「ストレス=交感神経、リラックス=副交感神経…」 と、教科書には書いてはありますよね。
 しかしストレスを受けたとき、交感神経ではなく、副交感神経が活発になる人もいます。

 ショックを受けて倒れる人が、ストレスで副交感神経が過活発になるタイプの人です(^^;

 めまい・立ちくらみでフラ~っとしたり、頭が真っ白になり茫然自失で立ち尽くしたり、
 ムカムカ吐き気がしたり、お腹が痛くなって、ひどければ失禁や失神してしまいます。

 副交感神経のはたらき過ぎで、血圧が急低下して脳の活動がストップしてしまったり、
 胃腸や膀胱の動きが活発になり過ぎて、嘔吐したり下痢したり失禁してしまうのです。

 交感神経は、敵と戦ったり逃げたりする動的な反応を起こすための自律神経です。
 それに対し副交感神経は、気を失って死んだフリをすることで自分の存在を消したり、
 排泄物をまき散らして敵に嫌悪感をおぼえさせて攻撃をまぬがれるための静的な反応です。

 むやみに抵抗せずエネルギーを温存して、ストレスが過ぎ去るのを待つ。
 それもストレスに対するひとつの戦略かもしれませんね^^

ストレスと病気のなりたち ~ストレスは万病の元~

 交感神経と副交感神経は、互いに牽制・協調し合って身体を健康な状態に保っています。
 →記事:「交感神経は戦闘態勢モード ~ストレスと戦うか!ストレスから逃げるか!~」
 →前記事:「副交感神経は省エネモード ~なりをひそめてストレスをやり過ごす~」

 そんな自律神経のバランスを崩す原因となるのは、さまざまな 「ストレス」 です。

 ストレスを受けると生命を守るために、自律神経を変動させて対処しようとします。
 たとえ一時的に不快な症状が出ても、それは正常な反応であって病気ではありません。
 ストレスが取り除かれたり、ストレスが過ぎ去れば、やがて元の健康な状態に回復します。

 人間、ストレスが無くても生きていけません。 ストレスは必ずしも害悪ではないのです。
 適度なストレスは、生き甲斐であったり、自身の向上のための刺激になります。

 しかし急に大きなストレスに襲われてしまったり、慢性的なストレスを抱えていると、
 自律神経のアンバランスが回復されることなく、健康な状態が破綻してしまいます。

 とくに精神的ストレスは慢性化しやすいので厄介です。
 精神的ストレスの原因(人間関係)に対して、現代社会では戦ったり逃げることは困難です。
 イヤな上司を殴ることも職場放棄することも、社会人としてはタブーですから。

 ストレスそのものを無くすことは難しいかもしれません。
 しかし、ストレスによって生じた自律神経のアンバランスを元に戻すことは可能です。

 自分の方から積極的に作り出したストレスに対処することでストレスをコントロールし、
 少々のストレスでは揺さぶられない強い心身を作って健康を守る方法を紹介します。

 →カテゴリ:「ストレスマネージメント」

自律神経と概日リズム ~その症状は交感神経症状?副交感神経症状?~

 限界を超えたストレスを受けると自律神経がうまく変動できなり、病気になってしまいます。
 とくに戦うことも逃げることも出来ず、慢性化しやすい精神的ストレスは害が大きいです。
 →前記事:「ストレスと病気のなりたち ~ストレスは万病の元~」

 しかし、ストレスだけが自律神経を変動させる要因ではありません。
 自律神経は時間帯によっても、はたらきが強くなったり弱くなったり変動しています。

 ストレスが引き起こす症状の程度(強弱)は、常に一定ではないハズです。
 一日の中でも症状がマシな時間帯があったり、ひどくなる時間があるかと思われます。
 その時間帯によって、交感神経症状か?副交感神経症状か?の判断の目安になります。 

 活動モードの交感神経は、朝の起床後から昼間にかけて活発になります。
 これは身体活動・精神活動が増えてストレスが多くなる時間帯に対処するための反応です。

 緊張型頭痛や腰痛などの痛みの症状は、午後・夕方にかけて悪化しやすくなります。
 交感神経の高まる時間帯に悪化する症状は、交感神経のはたらき過ぎによる症状です。

 夜中から早朝は、交感神経のはたらきが弱まり、相対的に副交感神経が活発になってきます。
 就寝時に悪化するムズムズ脚や喘息などのアレルギーは、副交感神経症状だと言えます。

 関節リウマチや起立性調節障害など、午前中に調子が悪いのも副交感神経症状のひとつです。
 交感神経が弱って高まらないための相対的な副交感神経のはたらき過ぎによるものです。
 →記事:「朝起きられない、夜になると調子が良くなる ~副腎ホルモンと日内リズム~」

 このような交感神経・副交感神経のリズムを作り出しているのが 「体内時計」です。
 体内時計が狂ってしまっても自律神経のリズムが崩れて病気になってしまいます。

 逆に言えば、体内時計を正しくリセットするだけで改善する病気もあるということです。 
 生活のリズムが乱れている方、何かしらの病気を抱えている方、是非見直してみてください。
 →カテゴリ:「体内時計と自律神経」

姿勢と自律神経 ~体勢で変動する交感神経~

 立ち上がろうとして目の前が真っ黒になったり、立ちくらみしたことはありませんか(^^?
 お風呂の湯船から出るときや、長時間起立してるときに、気分が悪くなることがあります。
 そんなあなたは、自律神経のはたらきが弱いのかもしれません。
 →記事:「自律神経は2種類 ~交感神経と副交感神経~」

 自律神経のはたらきは、寝たり立ったり、身体の姿勢によっても変動します。
 自律神経(交感神経と副交感神経)のうち、姿勢によって変動するのは交感神経です。

 身体を起こして立っている姿勢では、交感神経のはたらきが活発になります。
 立つという姿勢は、さぁこれから積極的に行動を起こそう!というアクティブな体勢です。
 これから起こす行動に備えるために、活動モードの交感神経が活発になるのです。

 反対に、身体を横たえている姿勢では、交感神経のはたらきは弱くなります。
 そもそも私たちが寝転がるときは、ちょっと休憩したり、睡眠をとるときですよね。
 そんなときに交感神経がハッスルしたままだと、心身が休めないですもんね(^^;

 交感神経のはたらきは、立つ姿勢では活発になり、横になる姿勢では弱くなります。
 より活動的な姿勢になるにつれて、交感神経のはたらきは高まっていくのです。

 もし、これらの姿勢の状態に合わせて交感神経が変動できないと、トラブルが生じます。

 寝転んだり座った姿勢から立ち上がると、重力の影響で体内の血液が下がろうとします。
 このままだと脳への血流が不十分になり、いわゆる貧血(脳貧血)でクラ~っとなります(涙)

 貧血で倒れるのを防ぐため、脳への血流量を一定に保つはたらきをしてるのが交感神経です。

 交感神経が活発になると、心臓が速く脈打ち、血管がギュッと収縮して血圧が上がります。
 心拍数や血圧を上げることで、高い位置にある脳への血流量を保とうとしているのです。
 立った姿勢でも問題なく動けるのは、交感神経がしっかりはたらいてるおかげなのです^^

 急な立ち上がりの際、交感神経がリアルタイムで反応できず、活発になり損なったり、
 長時間の起立のときに、交感神経の活発な状態を維持できなくなると倒れてしまいます。

 交感神経のはたらきが弱いときに起こる症状は、なにも脳貧血ばかりではありません。
 就寝時の咳や、気管支喘息、心不全など、身体を横たえると悪化する症状がその例です。
 横になると悪化・起きると軽減する症状は、交感神経のはたらきが関係しているのです。

呼吸と自律神経 ~呼吸で変動する副交感神経~

 心臓の鼓動は、メトロノームのように規則正しく脈打っているワケではありません。
 たとえ安静にしているときでさえも、脈の打つ速さは常に変化して揺らいでいます。

 実際に、大きく息を吸ったり吐いたりしながら脈拍を確かめてみましょう。
 よ~く観察すると、息を吸うときは脈が速くなり、吐いてるときは脈が遅くなっているハズです!
 若くて健康な人ほど、呼吸に伴う心拍数の変動がハッキリ分かりやすいです^^

 息を吸ったり吐いたりする呼吸のリズムと自律神経とは、大きな関わりがあります。
 心拍数(脈拍数)は、自律神経のはたらきによって、速くなったり遅くなったり変化します。  
 →記事:「頻脈に効くツボ ~毎日ドキドキしてると、ときめかなくなります~」

 自律神経(交感神経と副交感神経)のうち、呼吸によって変動するのは副交感神経です。

 息を吐くと副交感神経のはたらきが高まって、心拍数が減少して脈が遅くなります。
 反対に、息を吸うと副交感神経のはたらきが抑えられ、心拍数が増加して脈が速くなります。

 そもそも自分の意思ではコントロールすることが出来ず、勝手にはたらく自律神経ですが、
 呼吸を意識的に行うことで、副交感神経のはたらきをある程度コントロールすることが出来ます。

 では、最も効率よく副交感神経のはたらき高めるには、どんな呼吸をすれば良いのでしょうか?

 それはズバリ! 10秒間で1回(1分間6呼吸回数)の腹式呼吸を繰り返すことです!
 1分間に6回ペースの呼吸を数分間繰り返すことで、副交感神経のはたらきが最も高まります。

 健康法のひとつに「呼吸法」というのがありますね。ヨガや瞑想でも呼吸が重視されています。
 呼吸法で息を吐くことを意識するのは、副交感神経と関係があるのかもしれませんね^^


 参考文献
 『自律神経と呼吸との関係(和久田).pdf』 聖隷クリストファー大学大学院 2010
 『呼吸の極意 心身を整える絶妙なしくみ』 永田晟 講談社 2012
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はりきゅう中村@大阪

Author:はりきゅう中村@大阪

 心身相関の考えから、身体の健康とメンタルヘルスに取り組んでいます。より簡単・安全で、より効果的なセルフケア(家庭治療)を紹介しています。
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