起立性調節障害と自律神経・ホルモン ~なまけ病ではありません!~

 めまいや立ちくらみ、疲労感・倦怠感、頭痛、吐き気、腹痛、下痢などの症状で
 成長期・思春期の年代の子どもさんが、登校するのが難しくなることがあります。
 病院では、「起立性調節障害」や「自律神経失調症」などと言われることがあります。

 不登校や閉じこもりのキッカケになりかねないので、親御さんとしても大変苦しいのです。
 目で分かる異常が無いだけに、仮病・なまけ病と思われ、周囲の理解が得られにくいです。

 しかし、この病気は、仮病でも、なまけ病でも、ましてや心の病気でもありません!
 なまけ病とは正反対で、頑張りすぎて疲れ切って、緊張の糸が切れてしまっています。
 ストレスに抵抗しきれずに燃え尽きてしまい、身体にブレーキがかかった状態なのです。

 学校でのイジメや、受験のプレッシャーなど、子どもなりにストレスは色々あります。
 ストレスに抵抗するため、はじめのうちは「交感神経」や「副腎」が活発になります。
 →カテゴリ:「ストレスと自律神経」

 やがてストレスの質や量が限界を超えると、交感神経・副腎のはたらきが弱ってくるのです。
 →記事:「ストレスと病気のなりたち ~ストレスは万病の元~」

 起立性調節障害の症状は、交感神経や副腎のはたらきが弱まっているために生じます。
 交感神経が弱まると、相対的に副交感神経のはたらきが過剰になってきます。
 →カテゴリ:「副交感神経とアレルギー」   →カテゴリ:「副腎疲労とアレルギー」

 ではなぜ、交感神経や副腎のはたらきが弱くなると、立ちくらみ・めまいが起こるのでしょうか。
 →次記事:「起立性調節障害のメカニズム ~交感神経・副腎の機能低下~」

起立性調節障害のメカニズム ~交感神経・副腎の機能低下~

 起立性調節障害の症状は、副腎や交感神経のはたらきが弱くなっているために生じます。
 →前記事:「起立性調節障害と自律神経・ホルモン ~なまけ病ではありません!~」

 起立性調節障害の症状である 「めまい」・「立ちくらみ」 は、なぜ起こるのでしょうか?

 寝る・座るなど低い位置から立ち上がると、重力で血液が下がり、脳への血流が減少します。
 正常ならば、交感神経が活発になって血管を収縮・血圧を上昇させ、脳へ血液を送り込みます。

 しかし、交感神経のはたらきが弱っていると、うまく血圧を上昇させることが出来なくなります。
 脳への血流量が不足して脳が酸欠になってしまい、気分が悪くなって倒れてしまうのです。
 →記事:「姿勢と自律神経 ~体勢で変動する交感神経~」

 これが起立性調節障害で、めまい・立ちくらみが起こるメカニズムです。
 血管の収縮・血圧の上昇を調節する役割の、交感神経のはたらきが弱いために生じます。

 脳の血流不足を補うため、心臓が速く脈打ち、心拍数が増加することもあります(代償性頻脈)。
 起立性調節障害で脈が速くなるのは、ある意味正常な反応で、いわば苦肉の策なのです。

 しかし、起立性調節障害の症状は、めまい・立ちくらみだけではありません。
 自律神経は血管や心臓だけでなく、胃腸など全身のはたらきも調節しています。

 交感神経のはたらきが弱いと、相対的な副交感神経のはたらき過ぎが起こります。
 その状態では、片頭痛、吐気・嘔吐、腹痛、下痢、全身倦怠感などの症状が出てきます。
 →カテゴリ:「副交感神経とアレルギー」

 朝に症状が最も辛くなるのは、早朝は副交感神経が優位な時間帯だからです。
 →記事:「自律神経のリズム ~その症状は交感神経症状?副交感神経症状?~」

 正常であれば、起床時に副腎ホルモンが大量に分泌され、交感神経も活発になってきます。
 しかし、副腎のはたらきが弱っていると、副腎ホルモンが十分に分泌されなくなります。

 昼・夕方になると元気になってくるのは、副腎ホルモンの分泌リズムがズレてしまうからです。
 →記事:「朝起きられない、夜になると調子が良くなる ~副腎ホルモンと日内リズム~」


 →次記事:「起立性調節障害の一因?? 「かくれ貧血」 ~成長期は鉄不足になりがち~」

起立性調節障害の一因?? 「かくれ貧血」 ~成長期は鉄不足になりがち~

 起立性調節障害は、過剰なストレスで交感神経・副腎のはたらきが弱まっている状態です。
 交感神経が弱まると相対的に副交感神経が過剰になって、さまざまな症状が出てきます。
 →前記事:「起立性調節障害のメカニズム ~交感神経・副腎の機能低下~」

 そんな起立性調節障害の背後には、「鉄不足」が一枚噛んでいるのかもしれません。

 起立性調節障害と診断される前に、貧血の血液検査も受けたと思います。
 もちろん、貧血(ヘモグロビンの減少)ではない、と言われたはずです。
 しかし、貧血に至る前段階の「かくれ貧血」は、通常の貧血検査項目では分かりません。

 かくれ貧血の状態でも、起立性調節障害と非常によく似た症状が出てきます。
 鉄には、酸素を運搬するだけでなく、実に様々なはたらきがあります。
 代謝を上げてエネルギーを生み出したり、交感神経を活発にさせるはたらきもあります。
 →記事:「こんな症状も鉄不足!? ~不定愁訴の原因は「かくれ貧血」かも~」

 起立性調節障害と診断される年代は、ちょうど成長期・思春期と重なります。
 成長期の子どもは、体格が増大するときに多くの鉄が必要になります。
 また、部活など運動・スポーツをする際にも、筋肉や汗などで鉄が消費されていきます。
 思春期の女の子は、初潮や月経により、男の子以上に鉄分が失われやすくなります。

 お子さんの体調不良の一因が「かくれ貧血」でないかどうか、一度チェックしてもらってください。
 →記事:「フェリチンでかくれ貧血をチェック! ~鉄は女性に美と健康をもたらす~」

 血液検査で、もし 「かくれ貧血」が見つかったときは、ヘム鉄のサプリなどで補ってください。
 鉄の許容上限摂取量は、9~14歳で35mg/日、15歳以上で40mg/日です。
 定期的にフェリチン値を測定して、くれぐれも摂り過ぎに注意してくださいね。
 →外部リンク:「厚生労働省 第6次改定日本人の栄養所要量について」


 →次記事:「起立性調節障害に効くツボ」

起立性調節障害に効くツボ ~フリーズ状態からの再起動~

 起立性調節障害は、ストレスにより副腎や交感神経のはたらきが弱っている状態です。
 交感神経が弱ると、めまい・立ちくらみ、吐気、腹痛、下痢などの副交感神経症状が出ます。
 また、副腎が弱ると、朝起きられない・午前中の調子が悪いなどの状態になります。
 →前記事:「起立性調節障害のメカニズム ~交感神経・副腎の機能低下~」

 起立性調節障害は、身体のどこかが壊れている病気ではありません。
 ストレスと闘う交感神経・副腎などの自律神経・ホルモンのはたらきが悪いだけなのです。

 弱っている交感神経や副腎を再び活発にさせることが、起立性調節障害の治療になります。

 副交感神経のはたらき過ぎを抑え、交感神経を活発にさせるツボは、手足の薬指H5・F5です。
 →記事:「副交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボ ~心身に喝!を入れます~」
   手足の井穴図手足の井穴図
 これらのツボを、刺絡やお灸、円皮針で刺激をします。
 →カテゴリ:「井穴刺激のやり方」

 肩こり・首コリ、緊張型頭痛がある場合は、首や肩の筋肉のコリに円皮針を貼ると良いです。
 →記事:「肩こり・首こり・首の痛みに効くツボ その1 ~痛いところに円皮針~」

 出来ることならストレスの原因を遠ざけ、ストレスからの回復の時間をもうけてください。
 そして、ストレスに負けない身体を作る生活習慣に改めることが根本的な解決方法です。

 →次記事:「起立性調節障害を治す生活改善」


 →記事:「鍼灸症例:起立性調節障害 立ちくらみ・倦怠感・頭痛」
 →記事:「鍼灸症例:起立性調節障害 頭痛がひどくて登校出来ない」
 →記事:「鍼灸症例:朝起きられない、強い倦怠感・疲労感  起立性調節障害??」
 →記事:「鍼灸症例:起立性調節障害 朝起きられない、身体がだるい」
 →記事:「鍼灸症例:起立性調節障害かも?? 頭が痛くて学校に行けない」
 →記事:「鍼灸症例:起立性調節障害 体がだるい、ふわふわした感じ」

起立性調節障害を治す生活改善

 起立性調節障害は、限界を超えたストレスによって交感神経や副腎が弱ってしまった状態です。
 弱った交感神経や副腎を回復させて活発にさせることが、起立性調節障害を治す方法です。
 →記事:「起立性調節障害に効くツボ」
 
 しかし、ツボ刺激だけでなく、これまでの生活習慣を改善することが根本的な治療になります。

 【姿勢】
 椅子に座る姿勢では、脳貧血を起こして倒れて、怪我をするしまうおそれがあります。
 床やカーペット・畳の上などで、座った姿勢で日中を過ごして下さい。

 【早寝・日光浴】
 もし、朝起きることが辛くないようであれば、早起きの習慣をつけてあげてください。
 夜は毎日遅くとも、9時~10時までの同じ時間に寝かしつけてください。

 そして朝起きたら、直射日光の当たる場所で日光浴をしてください。
 朝の太陽光を浴びることで、自律神経・ホルモンのリズム(体内時計)が正しくリセットされます。

 朝の太陽が昇るとともに動きはじめ、日が沈むとともに休む。
 この生活に合うように、人間の自律神経やホルモンのリズムがはたらいています。
 →カテゴリ:「体内時計と自律神経」

 【軽い運動】
 適度な運動をすると、交感神経が高まり、副交感神経のはたらき過ぎが抑えられます。
 息切れするような激しい運動・競技はNGです。

 まずは室内で、ストレッチ(柔軟体操)などから始めてみてはいかがでしょうか。
 そして慣れてきたら、屋外で30分ほど散歩やウォーキングなどの有酸素運動が良いでしょう。
 翌日に疲れが残らないくらいの運動を続ければ、スタミナもついてきます。

 【食事】
 子どもがしんどそうだから、せめて好きな物だけでも食べさせようと甘い物を…
 しかし、砂糖を含む菓子類やドリンクを摂ると、「低血糖症」の状態になってしまい、
 自律神経やホルモンのはたらき過ぎをますます悪化させてしまいます。
 →カテゴリ:「低血糖症と心の病気」

 子どもの心身の成長にとっても砂糖の摂取は、「百害あって一利無し」です。
 まずは甘い物を食べさせないでください。  →Google検索:「砂糖 子ども」

 成長期の子どもさんには、タンパク質や野菜をいっぱい食べさせてあげてください。
 →記事:「今すぐ改善できる健康に良い食事 ~食事の質の高め方~」

 そのほかの生活改善方法は、こちらを参考に、思い当たることがあれば正してください。
 →カテゴリ:「アレルギーの治し方」   →カテゴリ:「副腎疲労とアレルギー」

 生活改善は、毎日コツコツ続けて、習慣づけることが大切です。
 お子さんの起立性調節障害は、きっと治ります!続けてみて下さい。
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はりきゅう中村@大阪

Author:はりきゅう中村@大阪

 心身相関の考えから、身体の健康とメンタルヘルスに取り組んでいます。より簡単・安全で、より効果的なセルフケア(家庭治療)を紹介しています。
 また、病気を予防・回復させる生活改善も提案しています。
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