副交感神経を高める方法 ~自然治癒力・抵抗力の高め方~

 自分の意志とは関係なく、生命活動を調節する神経を自律神経と言います。
 自律神経には、体内環境が正常の範囲内に収まるよう調節するはたらきがあります。
 この調節作用を、自然治癒力とか、抵抗力などとも言うことがあります。

 心身にストレスがかかると、自律神経(交感神経と副交感神経)の協調が崩れてしまいます。
 その結果として、様々な症状が出てきます。 →カテゴリ:「ストレスと自律神経」

 そこで、副交感神経のはたらきを高めて、自然治癒力を高める方法を紹介します。
 自律神経のはたらきを正常な状態に戻し、抵抗力を高めてくれます。

 この刺激法は、心身を休息モードにさせる副交感神経を高める方法です。
 ですから、一所懸命に集中しながら必死に刺激をしても効果が出ません(^^;
 音楽でも聴きながら、の~んびりと何気なしに刺激して下さい。

 ただし!喘息発作を起こしそうなときや、片頭痛の前兆を感じているときなど、
 副交感神経がはたらき過ぎてる状態のときには刺激しないで下さい。発作を誘発します。
 →カテゴリ:「副交感神経とアレルギー」

 【副交感神経を高める方法】
 「座った姿勢で」「息を吐く間だけ」「皮膚に心地よい刺激を与える」 だけです。
 とても簡単ですが、これらの3つの条件が全て整うことで、自然治癒力が高まります。
 この刺激法は本来身体に備わっている仕組みを利用した方法で、全身に作用します。
 
 まずは、出来るだけ静かで落ち着いた場所で、椅子やソファー、床などに座ってください。

 刺激する場所は、痛みやシビレ・麻痺が無いところであれば、どこでもOKです。
 肘から指先、膝から足先にかけてなど、手足の末端の皮膚の方が効果的です。
 たとえば、腕時計の文字盤の当たる場所の皮膚などが刺激しやすいかと思われます。

 息を吸うときは刺激を止めて、息を吐いてる間だけ刺激してください。
 指でトン♪トン♪トン♪と柔らかくタッピングするか、軽く優しく撫でたりさすったりしてください。

 これを10~20呼吸回数くらい繰り返します。

 なお、小さな貼る鍼、円皮針(えんぴしん)を貼った上から刺激を行うと、効果は倍増です!
 →カテゴリ:「円皮針の使い方」

 座って、息を吐いてる間だけ、優しく皮膚を刺激する。
 この刺激方法で、副交感神経が高まり、自律神経の調節力が良くなります。
 刺激をしてから効果が出るまで、だいたい5分ほどで遅くても10分後くらいです。

 たとえば、ギュッと緊張・収縮していた筋肉や血管がゆるんでポカポカ温かくなってきます。
 浅く速かった呼吸が深くゆっくりになったり、イライラしていた気分も落ち着いてきます。

 さて、本当に効果があるのか自分の身体で確かめてみましょう^^
 身体のどこかが痛い人は、刺激の前後で痛みの変化を比べてみてください。
 血圧が高めの人は、刺激の前後で血圧を計ってみてください。
 
 この刺激法以外にも、副交感神経のはたらきを高める方法を紹介しています。
 →記事:「呼吸と自律神経 ~呼吸で変動する副交感神経~」

 参考文献
 『臨床鍼灸学を拓く第2版』 医歯薬出版 西条一止 2013

鍼灸症例:腕の痛みとシビレ

 40歳代の男性。左上腕の痛み、左前腕の前外側のシビレ。
 きっかけは、1ヶ月ほど前、仕事で無理な姿勢で左腕を酷使し、
 その後に痛みが出たそうです。
 整形外科のレントゲンでは、骨折や腫瘍ではありません(除外診断)。
 電気を当てたり、温めてみたが、改善がなかったそうです。
 男性の奥さんの紹介で治療を承りました。

 まずは、どういう動作のときに左腕の症状が最も強いかを確認です。
 手を頭の後に回す、結髪動作で、左上腕外側が最も痛みます。
 この動作痛を治療効果の確認に使うことにしました。

 左腕の酷使が誘因なので、手の先から肘までの圧痛点を隈無く調べました。
 魚際と合谷あたりの圧痛点に円皮針。
 動作痛の程度や範囲を再確認してもらったところ、大幅に改善しました。
 そこで上腕外側を通る大腸経、左H6の井穴刺絡。
 これで、痛みは気にならなくなりました。
 むしろ、さっきの場所よりも後側に痛みが移ったそうです。
 これは痛みが移動したのではないことを説明しました。
 →記事:「痛みが移動する?? 広汎性侵害抑制調節」

 上腕後面を通る三焦経、左H5の井穴刺絡で、その痛みは消失しました。
 もう、どの動作でも左腕の痛みはありません。

 次は、左前腕の前外側のシビレの治療。
 左右の同じ場所を触ったときの感じ方は、明らかに左右で異なります。
 触った感じが、左右一緒くらいになればOKということです。
 シビレがある場所を通る肺経、左H1の井穴刺絡。
 再確認で、さっきより左右差が改善。
 少し時間をおいて、もう一度、左H1。
 これで、左右の感覚はほぼ同じになって、シビレは消失しました。
 念のため、左H1にお灸をして治療を終了しました。

 1週間後、奥さん経由でご主人の経過をお伺いしたところ、再燃もありませんでした。

 →施術のご依頼は、大阪の鍼灸治療院 「はりきゅう中村」 まで

鍼灸症例:股関節の痛み、太もものつっぱり

 70歳代の女性。歩行時に右股関節部の痛み。両大腿後面のつっぱり感。
 股関節が悪いのでは?歩けなくなるのでは?と、かなりの心配症です。

 まずは動作時の症状チェック。
 立位で腰部の前屈で、両大腿後面のつっぱり感が出現します。
 足首から先が非常に冷えているので、お灸にをすることにしました。
 大腿後面を通る膀胱経F4と腎経F3に透熱灸。透熱してから5壮。
 再確認で、前屈時の症状は消失しました。
 今度は、大腿後面のやや内側につっぱり感が出てきました。

 次に、仰向けに寝てもらって、パトリックテスト(4の字固め)では、
 左右大腿内側部のつっぱり感と、 右股関節部の痛みがあります。
 大腿内側部を通る肝経F2と、右股関節部を通る胆経右F5に透熱灸をしました。
 再確認で、右股関節部痛は消失、大腿内側部のつっぱりも改善しました。

 これで歩行時の主訴は、ほとんど気にならない程度にまで改善しました。
 あとは今日のツボに、家庭でもお灸をしてもらうようお願いしました。

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鍼灸症例:腕と肩の痛みとだるさ

 70歳代の男性。右上腕と肩の重だるさ。動作時のつっぱった感と痛み。
 1日中、座りっぱなしで、ノートパソコンでビデオ編集作業を行ってます。
 右腕はマウス操作くらいで、ほかに痛める原因は思い当たらないらしいです。

 治療前の症状の把握。
 右肘伸展位の肩関節前方挙上135度くらいで、上腕前面が痛みます。
 痛みに変化はないものの、真上まで挙上可能です。
 結帯動作で、肩関節前面の痛みが出現します。
 肩関節の水平内転で、上腕外側に痛みが出ます。

 マウス操作でよく使う手をあちこち押さえて調べてみました。
 三間、合谷あたりの圧痛点に円皮針をしました。
 動作確認で、上腕前面と肩関節前面の痛みは半分くらいに改善。
 上腕外側の痛みは変化なし。

 大腸経H6と肺経H1の井穴刺絡で、残っていた上腕・肩関節前面の痛みは消失しました。
 上腕の外側を通る三焦経H5で、水平内転時の上腕外側痛も消失。
 腕や肩を自由に動かしても、どこにも痛みはなくスッキリしたと仰いました。

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鍼灸症例:土踏まずの冷感

 60歳代の男性。右足土踏まずの冷感。
 お風呂のお湯に足を入れると、土踏まずだけが水に入れてるように感じます。
 奇妙な感覚に驚いて、急き込んで治療を受けに来られました。

 触診では、その部分は冷えていません。
 本人さんだけが冷感を覚えているだけです。
 冷覚神経の異常興奮だと思いました。

 その場での症状の把握は出来ません(湯船がないため)。
 治療後にお湯に足を入れてもらい、その感覚を連絡してもらうことになりました。
 土踏まずを通る経絡のうち、腎経には圧痛点は無し。
 脾経、大都あたりを押さえると、土踏まずの冷感が再現しました。
 ここに円皮針と、脾経F1に透熱灸。
 わずか5分ほどの治療です。

 治療後、すぐさま連絡が入りました。
 「一体、さっきの(異常感覚)は何だったのですか???」
 お湯に足を入れたら普通に温かく、今も温かく感じているとのことでした。

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鍼灸症例:もう花粉症? 鼻水、鼻づまり

 40歳代の女性。いつもは肩こり治療ですが、今日は鼻水・鼻づまり。
 敏感な人が言うには、この数日の暖かさで、もう花粉が飛んでいるそうです。

 朝は鼻水が出っぱなしで、午後は鼻が詰まって、鼻で呼吸ができないそうです。
 治療中も口呼吸しています。目の充血、かゆみはありません。
 
 治療前の症状の把握。
 口を閉じて、鼻から空気を吸うと、詰まっています。とくに左の鼻は不通。
 この空気の通り具合を覚えてもらいました。

 鼻水が出ないのに鼻が詰まるのは、鼻粘膜の毛細血管の透過性が亢進し
 浮腫を起こして鼻閉しているのだと思います。
 血管透過性亢進(副交感神経の異常興奮)を抑える、いわゆるアレルギーのツボ、
 左右H5の井穴刺絡。これで鼻のつまりは半分くらい改善しました。

 鼻の炎症もあるのかな?と考え、呼吸器の炎症を抑える、左右H1を刺絡でさらに改善。
 顔面部の副交感神経症状を抑える頭のツボ、上星の刺絡で、鼻がスッキリ。

 あとは通常の肩こりの治療をして終わりました。
 この女性の肩こりも、身体を動かさない運動不足からくるものです。
 運動不足の肩こりは運動でしか治せない、とアドバイスしてるのですが、
 なかなか重たい腰は上がらないようです(^^;

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肘痛に効くツボ その1 ~痛いところに円皮針~

 肘の曲げ伸ばしが痛い…。ふきんや雑巾を絞れない…。
 よくテニス肘やゴルフ肘(?)なんて言われますが、肘の痛みはスポーツだけに限りません。
 日曜大工でトンカチやドリル、ハサミの使いすぎなどでも痛くなります。
 理由は何であれ、治し方は共通です。

 どういう動作のときに最も痛みますか?曲げる?伸ばす?ひねる?
 ラケットや雑巾を持ったときに痛むなら、実際に持ってみましょう。
 痛みが出る姿勢を保ったまま、その痛みを感じる場所周辺を押さえて下さい。
 最も痛く感じるツボを探し出し、そこに円皮針を貼りましょう。
 ツボの見つけ方・探し方は、カテゴリ:「円皮針の使い方」をご覧ください。

 痛いところに円皮針を貼っても効果がなかった。
 痛みはマシになったが、まだ痛い。
 そもそも痛いと思ったところを押さえても痛くなかった。
 そんなときは、次で紹介する、井穴刺激を試してみてください。

 →記事:「肘痛に効くツボ その2 ~痛みを感じる場所~」

肘痛に効くツボ その2 ~痛みを感じる場所~

 痛みを感じる場所を押さえても、それほど痛くないことが、よくあります。
 肘に痛みを感じても、痛みの発信源は別の場所かも知れません。
 →前記事:「肘痛に効くツボ ~痛いところに円皮針~」

 そのような場合は、痛みを感じる場所から選ぶツボが良く効きます。

 まずは、いろいろ身体を動かして、肘の痛みを確かめてください。
 肘のどのあたりが、どういう動作のときに、最も痛みを強く感じますか?
 痛みの強さや、痛む範囲をよく観察して覚えておいてください。
 だいたいの場所さえ分かれば、大丈夫です。
 肘を伸ばして、手のひらを前に向けた姿勢を基準として…

   肘の痛みの図肘の痛みを感じる場所

 肘の外側の痛みは、H1・H6のツボです。外側上顆炎(テニス肘)などに効くツボです。
 肘の内側の痛みは、H3・H4のツボです。内側上顆炎(ゴルフ肘)などに効くツボです。
 肘の後面の痛みは、H5のツボです。上腕三頭筋腱炎などに効くツボです。
 肘の前面の痛みは、H2のツボです。
 刺激をするツボは、痛い側(右肘が痛いなら右側)の手のツボを選んでください。
   手の井穴図手の井穴図
 これらのツボに、刺絡をするか、円皮針を貼るか、お灸をします。
 →カテゴリ:「井穴刺激のやり方」

 ツボ刺激をしたあと、痛みの出る動作をもう一度やって、痛みの変化を確認してください。
 効果があれば、その場で痛みが改善します。
 変化が分からない場合は、「改善なし」と判断して、他方のツボを試してください。

 あなたの肘の痛みが治りますように!
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はりきゅう中村@大阪

Author:はりきゅう中村@大阪

 心身相関の考えから、身体の健康とメンタルヘルスに取り組んでいます。より簡単・安全で、より効果的なセルフケア(家庭治療)を紹介しています。
 また、病気を予防・回復させる生活改善も提案しています。
 みなさまのご健康に、少しでもお役立て頂ければ幸いです。
 また、どんな事でもお気軽に、ご質問・ご相談ください。
 応援、よろしくお願いします。

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