鍼灸症例:めまい 歩くと足がおぼつかない 頭を動かすとめまいが再現

 80歳代の男性。めまい感があります。
 朝、ベッドから起きた歳、足がもつれたワケではなく、転びそうになったそうです。
 歩くと、地面に足がしっかり着いていないような揺動感があります。
 目を開けて歩いても、目を閉じて歩いても、めまい感に違いはありません。
 座って首を色々な方向に動かしてもらうと、下を向いたときにめまい感が再現します。
 また、仰向けに寝る姿勢でも、めまい感が再現し、目の前の景色が上下に動きます。

 歩くとき。下を向くとき。仰向けになるとき。これらのめまい感を治療効果の指標にしました。

 まずは左右H5の井穴刺絡。これで歩行時の揺動感は消失。ほかは不変。
 首コリかな?と考え、胸鎖乳突筋や後頚部の過緊張の筋に、やさ~しく直接刺鍼。
 これで頭を下に向けても、仰向けに寝ても、めまい感はほとんど感じなくなりました。
 ついさっきまで、めまい感で怖がっていたので、まだ違和感でおそるおそるの動作です。

 最後に、浅刺・呼気時・坐位の刺鍼法で自律神経機能を高めて終了です。
 また明日も治療する予定なので、おそらくこれで大丈夫でしょう^^

 後日、お伺いすると、めまい感はもう無いけれど、なんだか頭がスッキリしないそうです。
 ということで、首コリ・肩こりの治療です。

 側頚部・後頚部の圧痛点のいくつかに、筋層まで、ゆ~っくり&やさ~しく刺鍼。(1寸02番針)
 これで再度起きて頂いて確認してもらったところ、もう頭の感覚は普通の感じです。
 自律神経機能を高めて終了です。

 →施術のご依頼・ご予約は 鍼灸治療院 「はりきゅう中村」 まで

もやは他人事ではない 「糖尿病」 ~40歳以上の3人に1人が!?~

 血糖値が気になる方に。血糖値が高めの方へ。
 そんな人たちをターゲットにした健康食品のCMが非常に多く流れていますね。
 私は痩せているから大丈夫!関係ないわ♪ ではなく、もはや他人事ではありません。

 血糖値とは、血液中を流れるブドウ糖のことです。
 身体の細胞は、その血糖を取り込んで、エネルギーを生み出すための燃料にしています。

 血糖値が高すぎることを心配する場合が圧倒的に多いのですが、低すぎてもダメなのです。
 低血糖の発作では、下手をすれば死んでしまいます。
 →カテゴリ:「低血糖症と心の病気」

 そんな大切な血糖値は、数々のホルモンにより、非常に狭い範囲内に調節されています。
 (血糖値の正常値は、空腹時で80~110mg/dl未満、食後のピーク時で140mg/dl未満)

 実に非常に興味深いことに、血糖値を上げるホルモンは何種類もあるのですが、
 血糖値を下げるホルモンは、インスリンというホルモンの、たった1種類しかありません!

 つまり、人間の身体は、下がってきた血糖値を高めることは超得意であっても、
 上がりすぎた血糖値を下げることは大の苦手、ということです(^^;

 何百万年もの人類の歴史の中で、飢餓によるエネルギー不足には適応出来るよう進化しても、
 現代のような飽食の時代は経験してこなかったので、身体は適応しきれていないのでしょう。

 近年、急増している生活習慣病である「糖尿病」は、血糖値が高くなりすぎる病気です。
 上昇しすぎた血糖値をコントロールが出来なくなってしまった、「糖代謝異常」なのです。

 では、血糖値が正常範囲に収められなくなると、身体にどのような悪影響があるのでしょうか。
 →次記事:「本当は怖い「糖尿病」 ~そのまま放って置くと、大変なことになりますよ~」

 ※ここでの「糖尿病」は、食事・運動などの、生活習慣と深く関わる「2型糖尿病」 のことです。

本当は怖い「糖尿病」 ~そのまま放って置くと、大変なことになりますよ~

 近年、急増している生活習慣病である「糖尿病」は、血糖値が高くなりすぎる病気です。
 上昇しすぎた血糖値を抑えることが出来なくなってしまった 「糖代謝異常」 なのです。
 →前記事:「もやは他人事ではない 「糖尿病」 ~40歳以上の3人に1人が!?~」

 血糖値の上がりすぎは、身体にとって大きなストレスなので、なんとか抑えようと頑張ります。
 しかし、血糖値の急上昇が毎日毎日長年に渡って続くと、やがて身体も疲れ切ってしまいます。

 すると、膵臓からの血糖値を下げるホルモン 「インスリン」 の分泌が悪くなったり、
 血糖を細胞内に取り込むためのドアの開きが悪くなってしまいます(=インスリン抵抗性)。
 その結果、血糖値の上がりすぎを正常範囲内に抑えきれなくなってしまうのです。

 糖尿病の困ったところは、痛くも痒くも、患者さんは何も苦しいことが無いことです。
 とくに症状がないので、検査をしないと自分が糖尿病であることすら全く分かりません。
 たとえ糖尿病だと指摘されても、差し迫って生活改善に取り組む人も少ないのです。

 では、血糖値が正常範囲を超えて急上昇すると、身体にどのような悪影響があるのでしょうか。

 高血糖状態や血糖値の乱高下が繰り返されると、血管が傷つき、硬く、もろくなってしまいます。
 血管が詰まりやすくなったり、破れやすくなる、いわゆる 「動脈硬化」 が進んでしまいます。
 配管を急激に温めたり冷やしたりを繰り返していると、破損しやすくなるようなものです。
 血管がボロボロに酸化・糖化して、全身の老化現象が進んでしまうのです。

 血管のトラブルが末梢の細い血管の場合、足先が 「壊疽」 して切断を余儀なくされたり、
 眼の網膜では 「失明」 したり、腎臓では 「腎不全」 で人工透析が必要になったりします。
 大きな血管での事故では、「脳梗塞」や、「心筋梗塞」などで、死に至ることもあります(涙) 
 また、抵抗力が極度に低下するので、感染症など、さまざまな病気にかかりやすくなります。
 糖尿病そのものよりも、それが原因となって起こる別の病気や症状(合併症)が恐ろしいのです。

 糖尿病は、美味しい物ばかりを食べている人がかかる贅沢病だと言われていますね。
 しかし糖尿病は、現代の「普通の食事」をしている人なら、誰でもなりうる国民病です。
 やせ型の女性であっても、糖尿病になる危険性があります。

 →次記事:「なぜ血糖値は上がるの? ~食後の血糖値を上げるのは糖質です~」

なぜ血糖値は上がるの? ~食後の血糖値を上げるのは糖質です~

 血糖値が高くても、好きな△△は止められない♪
 糖尿病は、美味しい物の食べ過ぎ(カロリーオーバー)が原因と言われていますね。
 しかし、カロリーの摂り過ぎ・肥満だけが、糖尿病の原因ではありません。
 →前記事:「本当は怖い「糖尿病」 ~そのまま放って置くと、大変なことになりますよ~」

 身体のエネルギーの燃料となるのは、「糖質」・「タンパク質」・「脂質」の3種類です。
 このうち、食事直後の血糖値の急上昇を招くものは、「糖質」です。
 つまり、油をガブ飲みしても、焼肉をいっぱい食べても、食後の血糖値は急上昇しないのです。

 「糖質」は、米や小麦などの穀物や、イモなどの「炭水化物」に多く含まれます。
 「炭水化物」から 「食物繊維」を除いたものが、「糖質」です。

 砂糖や白米、小麦粉などの 「精製炭水化物」は、消化にあまり時間がかかりません。
 精製炭水化物を摂ると、食後の血糖値は、短時間で急上昇してしまいます。

 一方、玄米や全粒粉などの「未精製炭水化物」には、食物繊維が多く含まれています。
 未精製の炭水化物は、消化に時間がかかるので、血糖値の上昇は緩やかです。

 上昇する血糖値を、正常範囲内にコントロール出来なくなった病気が 「糖尿病」です。
 食後の血糖値の上昇を抑えるには、糖質の摂取を控えるようにする必要があります。

 白米(白ごはん・お餅)、小麦粉(パン・うどん・麺類・粉もん)などの精製穀物、イモ類や果物や、
 そして、清涼飲料水や、クッキー、ケーキ、チョコレート、アイスクリーム、スナック菓子といった
 「糖質」を含む食品は、極力摂らないようにする必要があります。
 そもそも、糖尿病ではない人にとっても、糖質は身体に必要不可欠なものでは無いのです。
 →カテゴリ:「精製炭水化物の害」

 →次記事:「食後高血糖を抑える糖質制限食 ~糖尿病のセルフケア その1~」

食後高血糖を抑える糖質制限食 ~糖尿病のセルフケア その1~

 食事の直後の血糖値を急上昇させるのは、炭水化物に含まれる「糖質」です。
 糖質が消化・吸収されることで、血液中のブドウ糖の量が急速に高まります。
 →前記事:「なぜ血糖値は上がるの? ~食後の血糖値を上げるのは糖質です~」

 ですので、糖尿病による食後高血糖を防ぐには、糖質の摂取を控える必要があります。
 米やパン・パスタなどの穀類・小麦製品、イモ類などの炭水化物は好ましくありません。
 たっぷりの野菜や海草、キノコ類、魚や大豆、鶏肉や卵などでお腹を満たすとベターです。
 →記事:「今すぐ改善できる健康に良い食事 ~食事の質の高め方~」

 糖質を摂らない食事では、食後高血糖が抑えられ、検査数値も改善します。
 糖質を制限すると、必然的に、「タンパク質」と「脂質」で必要カロリーを満たすことになります。
 糖質の代わりに、「どのような食品で」カロリーを摂取するか、が重要になってきます。

 牛肉や豚肉、ハム・ソーセージなどの加工肉を中心とした糖質制限にはリスクが伴います。
 牛・豚肉は控えめにして、鶏肉や卵、魚肉、大豆でタンパク質を摂取すると、より安全です。
 →記事:「タンパク質の過剰摂取の害 ~牛肉・豚肉・加工肉を食べ過ぎると~」

 もしカロリー不足になる場合、バターやラードなどの動物性脂肪を使った調理や
 シソ油・エゴマ油でドレッシングやマヨネーズを作って食べると良いでしょう。  
 →記事:「健康に良い油の選び方・使い方 ~シソ油・エゴマ油を使おう!~」

 食事は楽しみでもあり、好きな物を食べたいという欲求は、本能的なものであります。
 まずは1日3食の炭水化物(主食)の摂取量を全体で半分以下に減らすことです。
 たとえば、仕事の都合などで避けられない昼食以外の主食をやめる、などで対応できます。
 2~3週間続けてみて、身体が慣れてきたら、3食とも主食を抜くと良いと思います。

 炭水化物中毒や、肝機能障害のある人は、肝臓での糖新生能力が落ちていることがあります。
 低血糖症になるおそれがあるので、糖新生の補酵素ビタミンB群をサプリで補ってください。

 食事による血糖値の急上昇を抑えつつ、運動でインスリン抵抗性を改善させましょう!
 →次記事:「燃やせ!内臓脂肪!血糖値を下げる運動 ~糖尿病のセルフケア その2~」


 参考文献
 『糖尿病・最初の1年』 グレッチェン・ベッカー/太田喜義 日本評論社 2007
 『糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食』 江部康二 ナツメ社 2010
 『食べても太らない!「糖質ゼロ」の健康法』 釜池豊秋 洋泉社 2011
 Web:日本ローカーボ食研究会 http://low-carbo-diet.com/

燃やせ!内臓脂肪!血糖値を下げる運動 ~糖尿病のセルフケア その2~

 内臓脂肪型の肥満をはじめ、糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病は、
 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)と呼ばれていますね。
 最近では、「メタボ」と略して使われるほど、身近な言葉になっています(^^; 

 脂肪細胞は、エネルギーの貯蓄や、身体の保温、衝撃の吸収などのはたらきがあります。
 しかし、それだけでなく、健康に大きな影響を及ぼすホルモンの分泌もしているのです!

 脂肪細胞から分泌される善玉ホルモンは、炎症を抑えたり、壊れた臓器を修復したり、
 インスリンのはたらきを助けたり、脂肪の燃焼を促すなど、身体に良いはたらきがあります。

 体脂肪には、「皮下脂肪」 と 「内臓脂肪」 の2種類の脂肪細胞があります。
 なかでも、「内臓脂肪」が増えすぎると、善玉ホルモンが減って、悪玉ホルモンが増えてきます。
 善玉ホルモンが減ると、インスリンの効きが弱くなり、血糖値の上昇を抑えれられなくなります。
 また、悪玉ホルモンには、血圧を上げたり、動脈硬化を促すはたらきがあります。

 つまり、「内臓脂肪」を減らすことが、糖尿病の悪化防止&改善につながるのです!
 しかも幸いなことに、「食事」と「運動」によって、「内臓脂肪」 は減りやすいのです。
 →前記事:「食後高血糖を抑える糖質制限食 ~糖尿病のセルフケア その1~」

 糖尿病では、食後の血糖値が高まる時間帯に運動をすると良いと言われていますよね。
 運動すると、インスリンとは関係なく血糖が細胞に取り込まれて、血糖値が下がるのです。
 インスリンの分泌が少ない人でも、インスリンが効きにくい(抵抗性が高い)人でも下がります。

 とはいえ、食後に20~30分も運動する時間が取れない忙しい(面倒くさい?)人もいるでしょう。
 そんな現代人にピッタリの、短時間でも効率的に血糖値を下げる運動方法を紹介します。

 インスリンに頼らず血糖値を下げるキッカケには、無酸素運動が効果的です。
 筋トレやダッシュなど短時間で強い運動が、血糖を細胞に取り込みやすい状態にさせます。
 無酸素運動を短時間行った後、休憩して呼吸が整ったら、再度、無酸素運動を繰り返します。

 こうやって、短時間の無酸素運動と、しばらくの休憩を繰り返すだけです。
 この方法で、たとえ5分間でも食後の運動を行うと、効率的に血糖値を下げられるのです。
 たとえば、階段を一気に駆け上って、休憩して、を繰り返す運動なら手軽に出来ます。

 血糖値の降下と、体脂肪の燃焼を同時に行う運動方法については、こちらをご覧ください。
 →記事:「脂肪を燃やし、ミトコンドリアを増やす運動! ~有酸素運動&無酸素運動~」

 運動は、血糖値を下げる、内臓脂肪を減らす、安全・確実な方法のひとつです。
 内臓脂肪が減れば、インスリン抵抗性も改善し、どんどん良い方向に向かってきますよ^^

 →次記事:「糖尿病に効くツボ ~糖尿病は全身の病気です!~」


 参考文献:
 『臓器は若返る メタボリックドミノの真実』 伊藤裕 朝日新聞出版 2010
 『脂肪細胞の驚くべき真実 メタボリックシンドロ-ムの科学』 松沢佑次 中央法規出版 2008
 『ミトコンドリアのちから』 瀬名秀明/太田成男 新潮社 2007

糖尿病に効くツボ ~糖尿病は全身の病気です!~

 糖尿病を改善させるには、食後高血糖を招く糖質の摂取量を減らす食事や、
 脂肪を燃やし、インスリン抵抗性を改善させる、「有酸素運動」 などの生活改善が重要です。
 →記事:「まずは、ゆるやかな糖質制限食 ~糖尿病のセルフケア その1~」
 →前記事:「燃やせ!内臓脂肪!血糖値を下げる運動 ~糖尿病のセルフケア その2~」

 実は、血糖値を上げるのは、食事中の糖質だけではありません。
 血糖値は、「交感神経」や「副腎」のはたらきによっても上昇するのです。
 →カテゴリ:「自律神経ってなに?」   →カテゴリ:「副腎疲労とアレルギー」

 ストレスによって交感神経や副腎のはたらき過ぎが起こると、血糖値が上がります。
 風邪など体調を崩したとき(シックデイ)に血糖値が急上昇してしまうのはこのためです。
 ですので、交感神経・副腎のはたらき過ぎを抑えることが、糖尿病のツボ治療になります。

 糖尿病に効くツボは、左F1・F6(膵臓)、右F2・F6(肝臓)、左右H6・F4(全身)
 そして、左右F3(腎臓)です。

 糖質の摂取以外で血糖値を上げるは、膵臓ホルモンのグルカゴン、肝臓での糖新生、
 全身反応として、副腎ホルモンのアドレナリン・コルチゾールなどがあります。

 膵臓ホルモンのグルカゴンは、交感神経のはたらきによって分泌され、血糖値を上げます。
 グルカゴンの過剰分泌、膵臓の交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボは、左F1・F6です。
 →記事:「胃腸のツボ ~口唇から肛門までの長い道のり~」

 肝臓の交感神経がはたらくと、グリコーゲンや脂肪を分解して血糖値を上昇させます。(糖新生)
 過剰な糖新生の抑制、肝臓の交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボは、右F2・F6です。
 →記事:「肝臓のツボ ~飲み過ぎ食べ過ぎには気をつけて!~」

 そして、全身の交感神経・副腎のはたらき過ぎを抑えるツボは、左右のH6・F4です。
 →記事:「交感神経のはたらき過ぎを抑えるツボ」

 また、腎臓の交感神経のはたらき過ぎを抑える、左右のF3のツボも併せて刺激してください。
 血糖値とは直接の関係はありませんが、血圧を下げて、血管を守る作用があります。
 →記事:「腎臓のツボ ~毎日お風呂の半杯分の血液をキレイにしてます!~」
 →記事:「高血圧に効くツボ その1 ~内臓の血圧を下げるツボ~」

   手足の井穴図手足の井穴図
 これらのツボに、刺絡をするか、円皮針を貼るか、お灸をします。
 →カテゴリ:「井穴刺激のやり方」

 食事や運動に気をつけて、元気で楽しい毎日を過ごせますように!

鍼灸症例:耳の痛み・頭の痛み

 70歳代の女性。数日前より、右側の側頭部と耳が痛みます。
 頭部は触らなくても痛みがあり、洗髪など頭皮に触れると余計に痛みが増します。
 耳の痛みは、耳たぶ(耳介)ではなく、どこか分からないけど耳が痛いそうです。
 知人のお葬式から帰ってきたその日の夜に痛みが出始めました。

 耳と頭部が同時に痛む…。
 耳や頭皮など、痛みを感じる場所周辺の皮膚を目視しても、今のところ水疱は無し。
 ピリピリ感、痒みなどの自覚症状も無し。ヘルペス(帯状疱疹)ではない?? 
 耳を引っ張ったり、押し込んだりしても、痛みの増悪は無し。
 ノドの痛み、鼻水、発熱などの風邪症状も無し。外耳炎や中耳炎でもなさそう?? 
 左右の胸鎖乳突筋など側頚部の筋肉をつまむと、右の圧痛が著明。首コリかな?? 

 「首の凝るようなことをしませんでしたか?」 と、お尋ねしたところ、
 式では一番後の席に座り、(前を見るために)首を伸ばして頭を傾けて座っていたそうです。

 心労と首の筋肉疲労が重なって、耳や頭部に関連痛を引き起こしたのでは?
 という、私の勝手な仮説に基づいての治療です。

 まずは、側頚部・耳・側頭部と関連する三焦経、右H5の井穴刺絡。
 頭皮を触ってもらうと、痛みは10→7くらいに。
 同じく身体の側面と関連する胆経、右F5。これで、7→5に改善。
 胸鎖乳突筋と関連する胃経、右F6。無効。
 同じく大腸経、右H6。5→2。
 もう一度、右H5。これで頭部も耳の痛みも消失。

 まだ胸鎖乳突筋の筋緊張があるので、仰臥位にて、筋をつまんで単刺(1寸02番)。
 最後に、自律神経機能を高める浅刺・呼気時・坐位の刺鍼法をして終了です。
 もし痛みが再発したり、水疱が出てくるようだったら皮膚科を受診するようにお願いしました。

 3日後に様子を尋ねると、少しぶり返してまだ症状が残っているが、以前よりは良いとのこと。
 同じ治療をもう1回して、耳と頭の痛みは治っていきました。

 →施術のご依頼・ご予約は 鍼灸治療院 「はりきゅう中村」 まで

感情の起伏が激しい・情緒不安定なあなたは低血糖症??

 食後に睡魔に襲われ、急に眠たくなって不覚にも寝てしまうことは、ありませんか?
 ほかにも、理由もなくイライラしてキレやすくなったり、ワケもなく悲しくなって落ち込んだり…。
 そのような激しい感情の起伏や、突然の感情の爆発は、「低血糖症」 が原因かもしれません。

 血糖とは、血液中のブドウ糖の濃度のことです。
 血糖値は高すぎてもダメ・低すぎてもダメで、ある一定の範囲内に調節されています。
 身体の細胞は、血糖を取り込んでエネルギーを生み出すための燃料にしています。
 →カテゴリ:「糖尿病・高血糖症」

 低血糖とは、血糖値が正常値(80mg/dl)よりも下がり過ぎてしまった状態のことです。
 低血糖状態に陥ってしまうと、最悪の場合、死んでしまうことがあります(涙)

 糖尿病の薬が効き過ぎで、血糖が下がり過ぎて低血糖が生じることがあります。
 私は糖尿病じゃないから大丈夫よ!低血糖なんて関係ないわ♪ではありません。

 糖尿病ではない人であっても、血糖値のコントロールが上手く出来なくなることがあるのです!
 しかも、HbA1cなどの通常の血液検査では、異常を発見することは非常に困難なのです。
 →外部リンク:「納光弘のホームページ 健常成人26人の5時間糖負荷試験の驚きの結果」
 →外部リンク:「低血糖症治療の会 低血糖症の検査と診断」

 低血糖症は、実にさまざまな身体症状とメンタル症状を引き起こします。
 もし見逃されてしまうと、「うつ病」や、「パニック障害」、「慢性疲労症候群」、「ADHD」などの
 精神科の病気と間違われてしまって、誤った治療をされてしまうことがあります。

 では、低血糖症は、なぜメンタル面に影響を及ぼすのでしょうか。

 →次記事:「血糖値の乱高下とメンタル症状・身体症状 ~低血糖症と自律神経~」

鍼灸症例:二の腕の痛み 上腕の後面・上腕三頭筋の痛み

 70歳代の女性。右の上腕(二の腕:肘と肩の間の腕)の痛みがあります。
 踏み台の上での作業中にバランスを崩し、あわや踏み台ごと転倒…
 という場面で、とっさの判断で踏み台から飛び降り、なんとか転倒は回避。
 しかし、着地の際に手を付いたのか、その日の夜から右腕が痛み出しました。

 翌朝には我慢出来ないほどの痛みで湿布を貼ってやりすごしていたそうです。
 そして、その日の夕方の治療です。

 自発痛は無し。手を床やテーブルに少しでも付くと、右の上腕後面に激痛が出ます。
 ズボンの後ポケットに手をやる動作(肩関節の伸展・結帯動作)でも痛みが再現。
 その他の動作では、症状の増悪はありません。
 
 痛みを訴える場所や右手の指先や手首、前腕には、内出血は腫脹、発赤、熱感は無し。
 痛みを感じる部分に、顕著な圧痛点だけが帯状にあります。

 どうやら、上腕の後面(上腕三頭筋)だけを傷めたようです。不幸中の幸い(^^;

 局所への刺激は最小限に抑えるため、まずは遠隔治療から始めました。
 治療効果の指標は、床に手を付く動作時の痛みです。今の痛みを10としてもらいました。

 上腕の後面と関連があるとされている手の少陽三焦経、右H5の井穴刺絡。
 これで、右腕の激痛はさっきよりマシに(10→6)。
 少陽三焦経と表裏関係の手の厥陰心包経、右H2の井穴刺絡。変化なし(6のまま)、無効。
 先ほど有効だった、右H5を再度、刺絡。6→3。
 さらに、もう10分ほど時間を空けて、もう一度刺絡。3→1。これで生活に支障のない程度に。

 右の上腕三頭筋部には、まだ圧痛が残っています。
 圧痛のとくに強い点に円皮針0.6mmを2枚、貼付。
 最後に、自律神経機能を高める刺鍼法をして終了です。

 →施術のご依頼は、大阪の鍼灸治療院 「はりきゅう中村」 まで

血糖値の乱高下とメンタル症状・身体症状 ~低血糖症と自律神経~

 低血糖とは、血糖値が正常範囲よりも下がり過ぎてしまった状態です。
 糖尿病ではない人でも、低血糖状態に陥ることが起こりえます。
 →前記事:「感情の起伏が激しい・情緒不安定なあなたは低血糖症??」

 「低血糖症」 は、常にずっと低血糖の状態にあるワケではありません。
 血糖値のコントロールが不安定に乱高下してしまう 「血糖調節異常」なのです。

 血糖値の乱高下を招く原因は、糖質です(炭水化物から食物繊維を除いたもの)。
 とくに砂糖・白米・小麦粉などの精製炭水化物は、食後すぐに血糖値を急上昇させます。
 →カテゴリ:「精製炭水化物の害」

 上がりすぎた血糖値を下げるのは、膵臓から分泌されるインスリンという物質です。
 血糖値の上昇に見合った量のインスリンを分泌することで血糖値を正常範囲に保っています。

 しかし、血糖値が短時間で急上昇してしまうと、インスリンの分泌が間に合わなくなります。
 インスリン分泌にタイムラグが生じたり、インスリンが過剰に分泌してしまいます。
 その結果、血糖値が急上昇・急下降してしまい、低血糖状態に陥るのです。

 低血糖に陥って脳のエネルギーが不足してしまうと、脳は活動を停止しようとします。
 眠気や意識の低下、脱力感・疲労感・倦怠感、空腹感・飢餓感などの症状が出てきます。
 また、漠然とした不安感や無気力感などのメンタル症状も引き起こします。

 低血糖による心身の症状は、「うつ」 や 「慢性疲労症候群」 と間違われることがあります。
 →カテゴリ:「うつ状態・うつ病」

 低血糖は命に関わる危険な状態なので、身体は必死で血糖値を上げようとします。
 生命の危機を回避するため、血糖値を上昇させるホルモンや交感神経が異常興奮します。
 血糖上昇ホルモン・交感神経が異常興奮すると、心身は戦闘モードに切り替わります。
 →記事:「自律神経のはたらき ~活動の交感神経&休息の副交感神経~」

 戦闘モードでは、動悸・頻脈・冷感、振戦・痙攣、発汗、呼吸困難などの症状が出てきます。
 暴力や奇声を発するなどの問題行動や、幻覚・幻聴などのメンタル症状も引き起こされます。

 低血糖回避時の心身の症状は、「ADHA」や 「パニック障害」 と誤解されることがあります。
 →カテゴリ:「パニック障害」

 このように血糖値が乱高下してしまう低血糖症を、「反応性低血糖症」と言います。
 低血糖症はメンタル症状を引き起こしますが、決して「心の病気」ではありません。
 血糖値が上手くコントロールされず乱高下してしまう「身体のはたらき」のトラブルです。

 原因を取り除いて適切に対処すれば、低血糖症による身体症状・メンタル症状は改善されます。

 →次記事:「血糖値の乱高下を防ぐ糖質制限~反応性低血糖症のセルフケア~」

鍼灸症例:ズッキンズッキンしないけど、たぶん片頭痛

 30歳代の男性。頭の痛みです。
 年末の忙しさや寒冷刺激が重なってか、最近、首コリ肩こりがひどかったそうです。
 そのまま放って放っておいたら、頭痛が出てきてしまいました。
 痛みが出始めたのは、仕事が一段落した後からです。

 痛みを感じる場所は、強いて言えば両方のコメカミを中心とした側頭部。
 拍動性の痛みではなく、ジワ~ッと痛むそうです。
 痛みのため、何をするにもおっくうで、日常生活に支障が出ています。

 辛いので休もうと身体を横たえると痛みが余計に増します。座っている方がマシです。
 非常に興味深いことに、このような頭痛が出るときは、便意を催すそうです。
 実際に、排便があり、便の形状には異常はありません。

 筋肉の過緊張や血行不良(交感神経のはたらき過ぎ)が続いていた。
 ストレス(交感神経)からの解放で、副交感神経にスイッチすることで発症。
 臥位(副交感神経)と悪化。坐位・立位(交感神経)で緩解。
 便意や排便(副交感神経)が随伴。
 おそらく、副交感神経のはたらき過ぎによる頭痛、いわゆる片頭痛でしょう。
 →記事:「片頭痛・偏頭痛に効くツボ ~両側の痛みだったり、ズキズキしないことも~」

 ということで、副交感神経のはたらき過ぎを抑える左右H5の井穴刺絡。
 刺絡し終わると、視界がクリアに見えるようになったそうです。(瞳孔が広がった?)
 頭痛もそんなに何も手に付かなくなるほどでは無くなりました。
 しかし、まだ首コリ・肩こりによると思われる頭の重怠さは残っています。

 緊張型頭痛が極まって片頭痛に転じたのだと思われます。
 ここで肩こりの治療をしても良いのですが、血流が急に再開して
 せっかく止まった頭痛が再発したら困るので、心を鬼にして、ここで治療を終了しました。
 また後日、首コリ・肩こりの治療が必要だと説明しました。

 →施術のご依頼は、大阪の鍼灸治療院 「はりきゅう中村」 まで
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はりきゅう中村@大阪

Author:はりきゅう中村@大阪

 心身相関の考えから、身体の健康とメンタルヘルスに取り組んでいます。より簡単・安全で、より効果的なセルフケア(家庭治療)を紹介しています。
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