鍼灸症例:過敏性腸症候群? 右下腹部の慢性的な腹痛・膨満感・腹鳴

 40歳代の女性。十数年来、右下腹部に、膨満感・腹鳴・腹痛を訴えます。
 ずっとお腹がグニュグニュと動いていて、痛くて気持ち悪いそうです。
 常にお腹が張っていて空腹を感じることが無く、食事が苦痛で食欲もありません。
 休日は、ほとんど横になって過ごしているそうです。

 20歳代のとき、虫垂炎で摘出手術。30歳代になってから現在の症状を発症。
 病院の検査では、エコーで白い影があり、炎症を起こしているのかも?
 手術痕が癒着を起こして腸が細くなっている感もある、とのことです。(血液検査は正常)

 漢方薬を試しても改善なし。医師からは手術を勧められて…ということでご来院です。

 聴診した時点では、腸蠕動音は正常。グル音亢進ではありません。
 触診では、自覚症状を訴える場所に一致して、腸が固く張った感じが触知できます。
 患部を押さえると、顔をしかめるほどの嫌な不快感があります。

 初診
 腸の蠕動運動=副交感神経の亢進?と考えて、F5・H5。改善なし。
 前髪際の頭部刺絡、症状は消えないものの、症状を感じる場所が臍よりに移動します。
 改善はないけど、ツボ刺激に反応する??H5・F5のセルフケアを指導しました。

 2診目(初診の1週間後)
 症状に変化・改善はなし。その前に、虫垂炎手術痕周囲の圧痛点にソマレゾン、改善無し。
 F4の井穴刺絡、ちょっと改善? H6・F4の井穴刺絡。セルフケアもH6・F4に変更です。

 3診目(さらに10日後)
 腸の動きは相変わらずだが、お腹の張りと痛みがマシだったそうです。
 治療方針を、完全に交感神経抑制へ切り替えました。
 右下腹部の圧痛・不快感の改善を目安に、左右H3有効、右F2無効、左F1有効。
 仕上げに、左右H6・F4。これで、お腹を押さえても、ちょっと気持ち悪い程度です。
 お腹のグニュグニュも治まって、腸の張った感じの痛みも改善しました。(10→2)

 癒着のせいか、どうやら腸の動きが弱いがため、渋滞を起こしていたようです。
 罹患期間が長いのと器質的変化があるので、しばらく続けて治療することにしました。

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外反母趾のセルフケア ~外反母趾は骨・関節が悪い?~

 私たちの足の指は、5本の指がおおよそ真っ直ぐ平行な位置関係にあるのが正常です。
 足の親指が、小指側に曲がって変形してしまった状態が、「外反母趾」です。
 変形がひどくなると、母趾が人差し指(趾)に乗り重なってしまうこともあります。

 ちなみに、「趾」という漢字は、「足の指」という意味です。
 「小趾」と書けば、「足の小指」のことを示します。

 外反母趾で困るのは、関節の変形という、見た目の悪さがひとつあると思います。
 夏場など、人前で素足になるのが嫌で、オシャレが出来なくなってしまいます。

 しかし、外見上の問題よりもつらいのが、母趾関節の周辺の痛みではないでしょうか。
 靴を履いたり、歩くたびに痛みがあると、日常生活に支障を来してしまいます。

 では、そもそも何故、足の親指は小指側に曲がって、外反変形してしまうのでしょうか?

 母趾の関節だけでなく、私たちの関節は、筋肉や靱帯によって支えられています。
 関節を曲げたり伸ばしたり、身体を動かすことが出来るのは、筋肉や靱帯のおかげです。

 外反母趾は、指を真っ直ぐ支える靱帯や、指の筋肉の拮抗バランスが崩れてしまった状態です。
 靱帯がゆるんで足底が平べったくなったり、歩き方のクセで足の特定の筋肉が酷使されます。
 すると、母趾をパーに広げる筋肉とギュッとすぼめる筋肉の力関係に、アンバランスが生じます。
 その結果、母趾が外側に引っ張られてしまって、外反母趾になってしまうのです。

 骨や関節が悪いのではなく、足の筋肉のトラブルで、母趾の関節が外反変形してしまうのです。

 外反母趾になりはじめの頃は、足をマッサージしたりするだけで、元に戻るかもしれません。
 しかし、そのような状態を放置したり、フットケアが足りないと、慢性化してしまいます。
 足の筋肉がカチコチに固まったり、関節が破壊・変形されて、元に戻らなくなってしまいます。

 重症化してしまった外反母趾は、元の真っ直ぐな母趾には戻らないかもしれませんが、
 足の痛みを治したり、関節の変形を少しでも改善させることは可能です。

 それでは、外反母趾と関節の痛みに効くセルフケアを紹介していきます。

外反母趾の痛みに効くツボ その1 ~痛いところに円皮針~

 外反母趾は、足指の靱帯や筋肉のトラブルで、足の親指が小指側に引っ張られた状態です。
 慢性化すると足指の筋肉がカチコチに固まったり、関節の変形が進んでしまいます。
 →前記事:「外反母趾のセルフケア ~外反母趾は骨・関節が悪い?~」

 外反母趾という関節の変形があっても、痛みが出ていない人も大勢いらっしゃいます。
 痛みがないので病院にも行かず、自分が外反母趾であることを自覚できませんが(^^;

 外反母趾の変形(指の曲り角度)が、軽度でもあっても強い痛みを訴える人がいます。
 また、極度の変形にも関わらず、それほど痛みがない人もいらっしゃいます。
 関節の変形の程度と、痛みがあるかどうか、痛みの程度は、全くの別問題です。
 つまり、関節の変形そのものは、痛みの原因ではない、ということなのです。

 ズバリ!外反母趾(関節の変形)の痛みは、関節の周辺の皮膚や筋肉の痛みなのです。

 足の指が曲がったり捻れたりして、皮膚が強く引っ張られて生じる、皮膚表面の痛み、
 変形して出っ張った関節(凸)が、靴との摩擦で生じる、いわゆる靴擦れによる痛み、
 そして硬く柔軟性を失った足指の筋肉が、歩くたびに引きつれて生じる筋肉の痛みです。

 痛みは電気信号なので、ツボ刺激で痛みのスイッチをOFFにすれば、すぐに鎮痛します。
 →カテゴリ:「痛みのメカニズム」

 まずは痛みの発信源、押さえて痛い点を探してみましょう。
 土踏まずや、親指・人差し指の間の指の股、足指の腹・側面、足の甲、足の裏など
 足の親指の関節だけでなく、その関節周辺を広く、余すこと無く押さえて調べてください。
 そして見つけた最も痛い点に円皮針を貼って、痛みの変化を観察して下さい。
 関節が出っ張った部分(凸)は、皮膚・皮下組織が薄いので、円皮針は0.3mmがベターです。
 →記事:「円皮針の使い方 ~ツボの見つけ方・探し方~」

 調べてみても、とくに痛い点が見つからない、痛い点に円皮針を貼っても効果が無い場合は、
 次で紹介する、指先のツボ刺激も試して見てください。

 →次記事:「外反母趾の痛みに効くツボ その2」

鍼灸症例:肩が痛くて目薬をさせない 首からの関連痛

 60歳代の男性。急に右肩が痛くなったそうです。
 目薬をさそうとすると痛むそうで、とくに思い当たる原因はないそうです。

 右肩が痛いと訴えるのですが、本人さんは、実際にどこが痛むか分からないそうです。
 目薬をさす肩・腕と首の動作を別々に行ってもらうと、肩・腕を挙げただけでは痛みは出ません。
 首を後ろに反らして天井を向く動作のときに、右肩に痛みを感じるそうです。

 どうやら痛みの発生源は、肩ではなく、首のようです。

 痛みを感じる姿勢で首を押さえて調べると、首の右側に、強い圧痛を訴える範囲があります。
 その圧痛範囲(胸鎖乳突筋上)に円皮針を2枚貼ると、首の後屈時の右肩の痛みは消失。
 今度は別の場所に痛みを感じるようになりました。
 →記事:「痛みが移動する?? ~痛みで痛みを抑える広汎性侵害抑制調節~」

 さっきと同様に押さえて調べて見つけた圧痛点(僧帽筋上部線維上)に円皮針を1枚。
 これでこの痛みも消失。

 肩の痛みと思いきや、原因は首コリ!
 このような痛みは、痛みを感じる場所を一生懸命治療しても、全く改善しないものです。

 →カテゴリ:★治療院のご案内

外反母趾の痛みに効くツボ その2 ~痛みを感じる場所~

 外反母趾の重症度(関節の変形している角度)と痛みの程度とは、無関係です。
 外反母趾による痛みのもとは、関節周囲の皮膚や筋肉の痛みです。
 →記事:「外反母趾の痛みに効くツボ その1 ~痛いところに円皮針~」

 痛みを止めるには、痛みの発生源に直接、円皮針を貼るのがお手軽です。
 しかし、押さえてみても痛い点が見つからない、痛い点にうまく円皮針を貼れない、
 貼っても痛みが改善しない場合は、痛みを感じる場所から選ぶツボを試してみてください。
 
 足の親指の内側、関節が出っ張っている(凸)あたりに痛みを感じる場合は、F1のツボ
 親指の外側(人差し指側)あたりの痛みは、F2のツボと、F6’のツボです。
 F6’のツボの位置は、人差し指の外側の爪の角(F6の対側)になります。
   足の井穴図足の井穴図
 これらのツボに、刺絡をするか、円皮針を貼るか、お灸をします。
 →カテゴリ:「井穴刺激のやり方」

 外反母趾の痛みが、たとえば右足だけなら、右足側の指のツボを刺激します。
 両足とも痛い場合は、左右両方の足のツボを刺激してください。

 →次記事:「外反母趾の痛み・変形のセルフケア ~グルグル包帯を巻くだけ!~」

外反母趾の痛み・変形のセルフケア ~グルグル包帯を巻くだけ!~

 外反母趾で困るのは、「外見上の問題」と、生活に支障が出るほどの「痛み」だと思います。
 ツボ治療では、痛みは比較的すぐに止まりますが、変形を改善させるのは難しいです。

 外反母趾の変形に対する治療法のひとつに、外科手術があります。
 身体にメスを入れることで組織が傷つくので、術後、患部が腫れて痛んだりします。
 強い痛みのため足を地面に着けないので、数ヶ月間は松葉杖生活を送ることになります。

 たとえ数ヶ月間だけ我慢すれば、変形も痛みも完治するのなら万々歳です。
 しかし手術という傷害がキッカケで慢性痛になったり、外反母趾が再発するリスクもあります。

 そこで、手術をせず、低コストで、誰でも簡単に出来て痛みも変形も改善させることが出来る
 そんな夢みたいな都合の良い(?) 外反母趾のセルフケアを紹介します(^^;

 そのセルフケアは、ズバリ! 「包帯療法」です。寝るときに足に包帯をグルグル巻くだけです。

 【包帯療法に適した包帯】
 100円ショップやドラッグストアなどで市販されている包帯は、薄くて伸縮力が弱いのでNGです。
 外反母趾の包帯療法に使用する包帯は、医療用の弾性包帯(弾力包帯)が適しています。
 包帯療法は長期間続ける必要があるので、5cm幅で6本入りを1箱購入すると良いでしょう。
 →外部リンク:「【楽天市場】ククロン or エラスコット or エルウェーブ の検索結果」

 【包帯療法のやり方】
 母趾と小趾の付け根の関節(外反母趾で突出してる関節)を、軽く引き締めるように
 足の甲の全体を包むようにして、包帯をグルグル6~8回ほど巻いて止めるだけです。
 就寝時に巻いて、起床時に外してもOKです。
 日中の生活に支障がなければ、1日中包帯を巻いたままでも構いません。 

 【包帯を巻く強さ】
 包帯療法は、あまり弱く巻くと効果が無いですし、強く巻き過ぎると、痛みが出てしまいます。
 痛くて睡眠が妨げられたり、夜中に無意識のうちに外してしまうのなら、強く巻き過ぎです。
 ご自分に合った強さで巻けるようになるまで、1週間ほどあれこれチャレンジしてください。

 【効果出現までの期間】
 痛みの改善が実感できるのは、早い人で2週間くらい、だいたいは2~4ヶ月ほどです。
 なんらかの改善が実感できたら、あとは包帯療法を毎日継続するのみです。
 痛みがほぼ消失するまでの目安は、7~9ヶ月ほどです。

 必要なのは、1本の包帯と、あとは根気です^^
 あなたの外反母趾が良くなりますように!

 参考文献 
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はりきゅう中村@大阪

Author:はりきゅう中村@大阪

 心身相関の考えから、身体の健康とメンタルヘルスに取り組んでいます。より簡単・安全で、より効果的なセルフケア(家庭治療)を紹介しています。
 また、病気を予防・回復させる生活改善も提案しています。
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