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免疫異常とアレルギー・自己免疫疾患 ~炎症をコントロール出来ない~

 「免疫力」 を高める。
 免疫という言葉が、最近では一般によく知られるようになりました。

 「免疫」 とは、血液中の細胞 「白血球」 が担う、身体を守るシステムのことです。
 白血球が血流に乗って全身をパトールして、発見した異物を排除するはたらきです。
 異物とは、外部から体内に侵入する病原体や毒素、体内で発生したガン細胞などです。

 白血球が異物を排除する際、「炎症」 という形で異物を処理します。
 風邪でノドが腫れたり(咽頭炎)、鼻水が出たり(鼻炎)、お腹が痛くなったり(胃腸炎)。
 炎症は、異物(風邪の場合はウイルス)と白血球が戦っている姿なのです。

 不快な症状が伴いますが、炎症が起きることは、必ずしも悪いことではありません。
 炎症は、異物を攻撃・破壊・無毒化して、壊れた身体の修復を促す必要不可欠な現象です。

 必要なときに炎症を起こし、不必要になったら炎症を止めることが出来る。
 炎症をコントロールする能力の高い状態が、「免疫力が高い」 と言えるかと思われます。

 そんな免疫(炎症)が悪玉になるのは、異物処理が終わっても炎症が止められなかったり、
 無害な異物にまで攻撃を仕掛けて排除したり、自分の正常な細胞をも破壊するときです。

 花粉症や食物アレルギーなど、無害な異物を攻撃してしまう病気が 「アレルギー疾患」
 クローン病や潰瘍性大腸炎など、自分の腸内細菌を攻撃する病気が 「炎症性腸疾患」
 関節リウマチや多発性硬化症など、自分の身体を破壊する病気が 「自己免疫疾患」

 戦前の日本では、このような免疫の異常による病気は非常に稀なものでした。
 しかし現代では、アレルギー疾患・自己免疫疾患は増加の一途を辿っています。
 一体、何が変わってしまったことが免疫異常の原因なのでしょうか?

 →次記事:「衛生仮説とアレルギー疾患・自己免疫疾患 ~豊かな国の免疫異常~」
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衛生仮説とアレルギー疾患・自己免疫疾患 ~豊かな国の免疫異常~

 アレルギー疾患・自己免疫疾患は、本来は身体を守る役割の免疫の異常による病気です。
 →前記事:「免疫異常とアレルギー・自己免疫疾患 ~炎症をコントロール出来ない~」

 免疫異常によるアレルギー疾患・自己免疫疾患は、古くは欧米の富裕層に多い病気でした。
 日本でも戦後、生活が豊かになるにつれてアレルギー・自己免疫疾患が増え始めました。

 経済状況が良くないと言われる日本であっても、世界から見れば非常に裕福な国です。
 発展の代償に増加したアレルギー・自己免疫疾患の原因は、一体何なのでしょうか?

 裕福な国では、上水道の完備で安全な水を飲め、下水道の普及で水洗トイレで用を足せます。
 美味しい肉や、虫食いのない野菜、保存性の高い加工食品をいつでも食べることが出来ます。
 そして病気になれば、すぐに医療を受けることが出来ます。非常に快適で便利な生活環境です。

 一方で、公衆衛生が発達していない国や地域では、その真逆に近い生活環境です。

 消毒されていない河川の水や井戸水を飲み、共同のボットン便所で用を足し、
 人糞を肥料にした農作物を食べ、病気になっても簡単に薬を買うことが出来ません。

 しかし、そのような非衛生的な生活環境では、免疫異常による病気は非常に稀なのです。

 豊かで衛生的な国や地域ほど、アレルギー疾患・自己免疫疾患を発症しやすい。
 清潔すぎる生活環境がアレルギー・自己免疫疾患の原因だと考えるのが 「衛生仮説」 です。

 アレルギー疾患・自己免疫疾患でお困りのあなた!早合点しないでください。
 病気を治そうとして身の回りを不潔にすると、おそらく病状は悪化します。。。

 では、公衆衛生が発達していない生活環境の「何が」免疫の異常を抑えているのでしょうか?
 清潔すぎる生活環境の「何が」免疫異常を促しているのでしょうか?

 →次記事:「共生微生物の不在がアレルギー疾患・自己免疫疾患を招く」

共生微生物の不在がアレルギー疾患・自己免疫疾患を招く

 公衆衛生が発達していない国や地域では、アレルギー・自己免疫疾患は非常に稀です。
 清潔すぎる生活環境が、免疫異常による病気の原因ではないか?と考えられています。
 →前記事:「衛生仮説とアレルギー疾患・自己免疫疾患 ~豊かな国の免疫異常~」

 しかしながら、不潔にすれば免疫異常が改善するかと言うと、決してそうではありません。
 非衛生的な生活環境の中で、免疫の暴走を抑えているのは一体何なのでしょうか。

 免疫異常による病気が稀な国や地域の人々は、多種多様な微生物と共に生活しています。
 雨水や河川・井戸水など飲み水に含まれる微生物、羊や牛・豚などの家畜に伴う細菌、
 共同便所・人糞肥料を介して感染する寄生虫、繊維質豊富な食事で育つ腸内細菌叢などです。

 これらの非病原体の微生物は、人類の進化の歴史を共に歩んできた古きパートナーです。
 旧友の微生物は、自分たちが攻撃・排除されないよう、人類の免疫系に訴え続けてきました。

 その結果、人類の免疫系は微生物の存在を許容して共存・共生する道を選択しました。
 害のない異物に対して免疫系は寛容になり、無益な炎症を起こさない能力を獲得したのです。

 免疫に寛容を獲得させる共生微生物が、急に生活環境から居なくなると何が起こるでしょうか?

 公衆衛生が発達すると、飲料水は上水道で消毒され、各家庭に水洗トイレが設置されます。
 駆虫剤・農薬で寄生虫は排除され、抗菌剤・食事の変化で腸内細菌の多様性が失われます。

 免疫を寛容に導く共生微生物が居なくなると、無害な物にまで攻撃を仕掛けるようになります。

 先進国で増加するアレルギー疾患・自己免疫疾患などの免疫異常による病気は、
 病原体の「存在」ではなく、免疫を制御する共生微生物の「不在」で発症する病気なのです。

 →次記事:「アレルギー・自己免疫疾患を予防する! ~免疫系を正しく発達させる~」

アレルギー・自己免疫疾患を予防する! ~免疫系を正しく発達させる~

 富裕国を悩ませるアレルギー疾患・自己免疫疾患は、免疫制御能力の低下による病気です。
 免疫に寛容さを教えてくれる微生物たちが、生活環境から排除されたことが大きな原因です。
 白血球が制御困難になり、無害な異物・正常な自己細胞を攻撃、炎症を起こすようになります。
 →前記事:「共生微生物の不在がアレルギー疾患・自己免疫疾患を招く」

 三つ子の魂、百まで。
 ハードウエアとしての人間の脳・神経系の発達は、子どもの時期に完成します。
 英会話などの言語獲得に幼児教育の重要性が叫ばれているのは、このためです(^^;

 免疫系の発達も同様です。
 アレルギー疾患・自己免疫疾患などの免疫異常を予防するには、早期からの学習が重要です。
 出来れば胎児期から、遅くとも乳幼児期までに、免疫に寛容を習得させる必要があります。
 幼いころに獲得した免疫系が、その後の方向性(いわゆる体質)を決定するからです。

 習得方法は、人類の進化と共に歩んできた微生物による刺激を免疫系に与え続ける事です。
 免疫を寛容に導く刺激となるのは、土壌や動物由来の非病原性の微生物との接触や、
 そして寄生虫、ヘルペスウイルス、EBウイルス、結核菌、ピロリ菌などへの不顕性感染です。

 これらの共生微生物と幼い頃から接触し続けることで、免疫異常が予防できます。

 たとえば、家業が農業・林業・漁業・畜産業など自然を相手にする仕事であったり、
 家畜やペットを何匹も飼っていたり、保育園や大家族・兄弟姉妹の中で育つ事などです。
 このような生活環境中には、大量・多様な共生微生物が自ずと持ち込まれるからです。

 これと正反対なのが現代の都市型生活です。
 自然と切り離され、核家族化・少子化が進み、共生微生物と触れ合う機会が激減しています。


免疫異常の促進と免疫寛容の獲得

 アレルギー疾患・自己免疫疾患などの免疫異常は、遺伝だけは発症しません。
 免疫異常の発症には、免疫異常を抑制する能力の低下と、免疫異常を促進する要因の増加。
 免疫を大きく捉えると、これらのバランスの崩壊が免疫異常の発症に関わっています。

 免疫異常を抑える能力・免疫寛容の獲得には、共生微生物からの刺激が必要です。
 乳幼児期から共生微生物の刺激を継続的に受け続けることで免疫系が正しく発達します。
 →前記事:「アレルギー・自己免疫疾患を予防する! ~免疫系を正しく発達させる~」

 しかしながら、微生物であればどんな種類でも免疫を寛容に導くワケではありません。
 病原性微生物(病原体)への感染は、免疫を煽って免疫異常を促進させる方向にはたらきます。

 風疹・麻疹などの感染症で、免疫異常による病気を発症するリスク(危険度)が高まります。
 たとえば、風邪を引いたあとに自己免疫疾患を発症してしまうことがあります。

 明らかな感染症だけでなく、自覚症状に乏しい慢性感染も免疫異常・慢性炎症を促進させます。
 たとえば、扁桃炎・咽頭炎や歯周病・虫歯など、見過ごされ軽視されがちな慢性感染症です。
 すでに免疫異常を発症している人は、これらの促進要因を軽減・解消させることが大事です。
 →カテゴリ:「病巣感染と慢性炎症」

 そして、免疫を寛容を導くには 「腸内細菌叢」 が鍵を握っていることが分かってきました。
 腸内細菌叢は免疫系の促進・抑制のバランスに影響して、人間の健康を左右しているのです。
 →カテゴリ:「腸内細菌と慢性炎症」

腸内細菌が人間の健康を左右する! ~免疫異常と慢性炎症~

 あなたの身体は細菌だらけです!
 そう言われて喜ぶ人は少ないかもしれませんが、これは事実です(^^;

 皮膚をはじめ、鼻腔や口腔、小腸・大腸、陰部など全身にびっしり細菌が付着しています。
 全身の細胞(60億個)よりも10倍以上も多い数の細菌が、人体を住処として暮らしています。

 これらの細菌は 「常在菌」 と呼ばれ、人間を病気にさせる病原性細菌ではありません。
 人間を病気にさせるどころか、常在菌は人間を病気から遠ざける役割を果たしています。
 自分たち(常在菌)が生きるには、人間様に病気で死なれてしまっては困るからです(^^;

 常在菌の中でもとくに、私たちの健康と病気の鍵を握っているのが、「腸内細菌」 です。
 良いお通じのためにヨーグルトを食べる健康法も、腸内細菌と関係があるのです。

 腸内細菌は、腸だけの話ではなく、全身の健康状態に影響することが分かってきました。
 白血球が異物を攻撃して処理する免疫のはたらきを、腸内細菌が左右しているのです。
 腸内細菌叢の状態次第で、私たちは健康にも病気にもなり得るのです。

 腸内細菌が関係する病気には、アレルギー疾患、自己免疫疾患、炎症性腸疾患があります。
 これらは、免疫の制御能力が低下して、無益な炎症を止められない免疫異常による病気です。
 →カテゴリ:「衛生仮説と免疫異常」

 そのほかにも、肥満や糖尿病・動脈硬化などのメタボリックシンドロームなどの生活習慣病や
 うつ病や統合失調症、自閉症など脳の異常も、腸内細菌との関連が指摘されています。

 腸内細菌は、どのようにして病気を招き、どうすれば健康を維持・増進できるのでしょうか。

 →次記事:「炎症と腸内細菌叢 ~腸内環境の悪化で腸漏れ・リーキーガット~」

炎症と腸内細菌叢 ~腸内環境の悪化で腸漏れ・リーキーガット~

 お腹に棲んでいる腸内細菌は、私たちの健康を大きく左右します。
 腸内細菌は、良くも悪くも免疫(白血球)に影響を与え、健康にも病気にもさせるのです。
 →前記事:「腸内細菌が健康を左右する! ~免疫異常と慢性炎症~」

 腸内細菌には、いわゆる 「善玉菌」 と 「悪玉菌」、そして 「日和見菌」 がいます。
 「善玉菌」の代表は乳酸菌やビフィズス菌、「悪玉菌」ではウェルシュ菌が有名です。
 「日和見菌」 は善玉・悪玉のどちらか優勢な方に荷担する、勝ち馬に乗るような菌たちです。

 便宜上、「善玉菌」・「悪玉菌」 と分けられていますが、菌そのものに善悪はありません。
 状況次第では悪玉菌も良いはたらきをしますし、善玉菌も悪さをする場合もあります。

 重要なのは、多種多様な腸内細菌たちが、それぞれバランス良く棲み分けることなのです。
 自然豊かな森のように、いろいろな生物たちが共存・対立しながら共生することが大切です。
 ある種の菌が居なくなってしまったり、特定の菌が圧倒してしまうことが問題なのです。

 腸内細菌叢は、ひとつの生態系です。
 多様性が失われたり、アンバランスになると、腸内環境が悪化してしまいます。
 一種の生物が激減すると生態系が崩れるように、腸内細菌叢も平和を維持できなくなります。

 腸内環境が悪化すると腸壁の細胞間結合が緩んで隙間が広がり、腸の透過性が増大します。
 それまで腸管内に留まっていた腸内細菌や毒素が、腸壁をすり抜けて血中に侵入するのです。
 →外部リンク:「順天堂大学:腸内細菌が血流中へ“移行する”ことが明らかに」(PDF)

 腸壁を通り抜けて異物が体内に侵入する状態を 「リーキーガット」(腸漏れ) などと言います。

 腸内細菌は、腸管内にいるときは存在を許容されていますが、体内に入ると攻撃対象です。
 腸壁から侵入した細菌や毒素は血中を巡り、免疫(白血球)に攻撃されて炎症を起こします。

 リーキーガットによる全身の炎症は、健康レベルを低下させ、持病を悪化させます。
 たとえば喘息持ちの人は発作が誘発されて、アトピーの人は皮膚炎が悪化します。
 持病がない人でも血管や内臓に軽度な炎症が生じ、それが様々な病気につながるのです。
 →外部リンク:「筑波大学:腸内細菌のバランスの乱れが喘息を悪化させるメカニズムを解明」

 腸内細菌叢の多様性・平和を維持するには、どうすれば良いのでしょうか?

 →次記事:「食物繊維で善玉菌を優勢に ~リーキーガットのセルフケア~」
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はりきゅう中村@大阪

Author:はりきゅう中村@大阪

 心身相関の考えから、身体の健康とメンタルヘルスに取り組んでいます。より簡単・安全で、より効果的なセルフケア(家庭治療)を紹介しています。
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