上咽頭(じょういんとう)。一般には聞き慣れない言葉ですよね(^^;
「上咽頭」 とは、鼻の奥の突き当たり、のどちんこの裏側で、のどと鼻が交わる場所です。
上咽頭を、別名「Bスポット」とも言い、上咽頭炎の治療法のひとつにBスポット療法があります。
上咽頭には 「耳管咽頭口」 や 「咽頭扁桃」、「耳管扁桃」 などがあります。
「耳管咽頭口」 は、中耳腔につながる耳管の入り口です。
風邪などで炎症が耳管を伝って中耳にまで広がったら中耳炎になります。
「咽頭扁桃」・「耳管扁桃」 は、空気中の病原体や異物と免疫(白血球)が戦う場所です。
その戦いの結果、自覚症状がない人でも、上咽頭には軽度な炎症が常に起こっています。
上咽頭は免疫の最前線なので、風邪などで真っ先に炎症が悪化しやすい場所です。
キッカケとなった炎症が治っても、上咽頭の炎症が治まらない状態が 「慢性上咽頭炎」 です。
慢性上咽頭炎には、様々な不快な症状がつきまとい、日常生活に支障が出て来ます。
上咽頭に炎症が起こると粘膜が浮腫んで、鼻づまりや耳閉感を覚えるようなります。
呼吸がしにくくて息苦しくなったり、自分の声や音が聞きづらくなったりします。
炎症によって病原体・異物・白血球などが混じり合った 「後鼻漏(こうびろう)」 も出てきます。
のどに張りつくような、引っかかるような、非常に不快な感覚を覚えます。
後鼻漏は起炎物質の塊で、口臭や歯周病、胃腸炎・気管支炎などの原因になります。
出来るだけ後鼻漏は飲み込むことなく、吐き出すのが良いです。
→記事:「病巣感染症で全身の炎症レベルが上昇! ~病原体が腸壁・血管から侵入~」 また、炎症が慢性的になると、だんだんと粘膜のはたらきが落ちてきます。
粘液の分泌が減少して、粘膜が乾燥するようになり、ときに出血することもあります。
ヒリヒリ痛くなったり、後鼻漏が茶褐色になったり、後鼻漏を排出しにくくなってしまいます。
上咽頭の炎症の情報は、感覚神経や炎症物質を介して脳に伝えられます。
トラブルを知った脳は患部を防御するため、運動神経や自律神経に命令を送り出します。
運動神経が活発になって患部周囲の筋肉が緊張すると、肩こり・首コリや頭痛がしたり、
倦怠感、微熱、めまいなどの自律神経のはたらき過ぎによる症状も出ることがあります。
→カテゴリ:「ストレスと自律神経」 そもそも炎症しやすい場所であることと、炎症で粘膜の機能が低下してしまうことが
上咽頭炎が慢性化しやすく治りにくい悪循環を招いているのです(涙)
そんな悪循環から抜け出して慢性上咽頭炎を改善させるセルフケアを紹介します。
→次記事:「ぬれマスク・鼻うがい・スチーム吸入で上咽頭の乾燥を防ぐ&回復を促す!」