自律神経と体内時計 ~生活リズムの乱れが病気の引き金~

 夜になると眠たくなって、朝になったら目が覚める。
 もちろん、時計を見て、寝起きする時間を規則正しく決めている人もいるでしょう。
 しかし時計を見なくても、生まれながらにして、身体には生活のリズムが備わっています。

 そのリズムを作り出しているのが、「体内時計」です。
 お腹が空いてきたから、そろそろお昼どき?という腹時計も、体内時計のひとつです(^^;

 体内時計は、時計細胞という細胞が、そのリズムを刻んでいます。
 脳をはじめ、心臓や肝臓、腎臓、皮膚・粘膜など、ほとんどの場所に存在します。

 脳の視床下部という場所にあるのが「親時計」です。
 光や匂い、音、味、痛みなど、あらゆる刺激・ストレスの情報を、親時計が受け取ります。
 刺激を受けた親時計は、交感神経や副腎皮質ホルモンなどの有線・無線の連絡網を用いて、
 時刻を告げる信号を、各臓器の「子時計」に送っています。

 日中に活発な交感神経や、夜間に活発な副交感神経も、体内時計によって調節されています。 
 自律神経のみならず、副腎・甲状腺などのホルモン、免疫(白血球)も同様です。
 体内時計は、自律神経・内分泌・免疫系のすべてをコントロールしているのです。
 →記事:「自律神経のリズム ~その症状は交感神経症状?副交感神経症状?~」

 腕時計であれば、時刻がズレていたら、ネジを巻いて時間を合わせれば済む話です。
 しかし体内時計は、現代の普通の生活をしているだけで、ズレて遅れてきます。

 もし体内時計が狂うと、自律神経やホルモン、免疫などのはたらきに異常が起こります。
 生体リズムの乱れが、睡眠障害や食欲不振、疲労感、イライラなどの心身の症状をはじめ、
 肥満や高血圧、糖尿病、骨粗鬆症などの生活習慣病の引き金になってしまうのです。

 では、どのような生活習慣によって体内時計は狂ってしまうのでしょうか。

 →次記事:「体内時計の周期を調節する光 ~体内時計が狂いやすい現代生活~」


 オススメ文献
 『体内時計の謎に迫る』 大塚邦明 技術評論社 2012
 『「夜ふかし」の脳科学』 神山潤 中公新書ラクレ 2005
 『睡眠はコントロールできる』 遠藤拓郎 メディアファクトリー新書 2010
 『100歳を可能にする時間医学』 大塚邦明 NTT出版 2010
 『体内時計のふしぎ』 明石真 光文社新書 2013
 『ブルーライト体内時計への脅威』 坪田一男 集英社新書 2013
ブログのご案内

はりきゅう中村@大阪

Author:はりきゅう中村@大阪

 心身相関の考えから、身体の健康とメンタルヘルスに取り組んでいます。より簡単・安全で、より効果的なセルフケア(家庭治療)を紹介しています。
 また、病気を予防・回復させる生活改善も提案しています。
 みなさまのご健康に、少しでもお役立て頂ければ幸いです。
 また、どんな事でもお気軽に、ご質問・ご相談ください。
 応援、よろしくお願いします。

ブログ内を検索
カテゴリ一覧
井穴刺絡の治療院リンク