共生微生物の不在がアレルギー疾患・自己免疫疾患を招く

 公衆衛生が発達していない国や地域では、アレルギー・自己免疫疾患は非常に稀です。
 清潔すぎる生活環境が、免疫異常による病気の原因ではないか?と考えられています。
 →前記事:「衛生仮説とアレルギー疾患・自己免疫疾患 ~豊かな国の免疫異常~」

 しかしながら、不潔にすれば免疫異常が改善するかと言うと、決してそうではありません。
 非衛生的な生活環境の中で、免疫の暴走を抑えているのは一体何なのでしょうか。

 免疫異常による病気が稀な国や地域の人々は、多種多様な微生物と共に生活しています。
 雨水や河川・井戸水など飲み水に含まれる微生物、羊や牛・豚などの家畜に伴う細菌、
 共同便所・人糞肥料を介して感染する寄生虫、繊維質豊富な食事で育つ腸内細菌叢などです。

 これらの非病原体の微生物は、人類の進化の歴史を共に歩んできた古きパートナーです。
 旧友の微生物は、自分たちが攻撃・排除されないよう、人類の免疫系に訴え続けてきました。

 その結果、人類の免疫系は微生物の存在を許容して共存・共生する道を選択しました。
 害のない異物に対して免疫系は寛容になり、無益な炎症を起こさない能力を獲得したのです。

 免疫に寛容を獲得させる共生微生物が、急に生活環境から居なくなると何が起こるでしょうか?

 公衆衛生が発達すると、飲料水は上水道で消毒され、各家庭に水洗トイレが設置されます。
 駆虫剤・農薬で寄生虫は排除され、抗菌剤・食事の変化で腸内細菌の多様性が失われます。

 免疫を寛容に導く共生微生物が居なくなると、無害な物にまで攻撃を仕掛けるようになります。

 先進国で増加するアレルギー疾患・自己免疫疾患などの免疫異常による病気は、
 病原体の「存在」ではなく、免疫を制御する共生微生物の「不在」で発症する病気なのです。

 →次記事:「アレルギー・自己免疫疾患を予防する! ~免疫系を正しく発達させる~」

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はりきゅう中村@大阪

Author:はりきゅう中村@大阪

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