血糖値の乱高下とメンタル症状・身体症状 ~低血糖症と自律神経~

 低血糖とは、血糖値が正常範囲よりも下がり過ぎてしまった状態です。
 糖尿病ではない人でも、低血糖状態に陥ることが起こりえます。
 →前記事:「感情の起伏が激しい・情緒不安定なあなたは低血糖症??」

 「低血糖症」 は、常にずっと低血糖の状態にあるワケではありません。
 血糖値のコントロールが不安定に乱高下してしまう 「血糖調節異常」なのです。

 血糖値の乱高下を招く原因は、糖質です(炭水化物から食物繊維を除いたもの)。
 とくに砂糖・白米・小麦粉などの精製炭水化物は、食後すぐに血糖値を急上昇させます。
 →カテゴリ:「精製炭水化物の害」

 上がりすぎた血糖値を下げるのは、膵臓から分泌されるインスリンという物質です。
 血糖値の上昇に見合った量のインスリンを分泌することで血糖値を正常範囲に保っています。

 しかし、血糖値が短時間で急上昇してしまうと、インスリンの分泌が間に合わなくなります。
 インスリン分泌にタイムラグが生じたり、インスリンが過剰に分泌してしまいます。
 その結果、血糖値が急上昇・急下降してしまい、低血糖状態に陥るのです。

 低血糖に陥って脳のエネルギーが不足してしまうと、脳は活動を停止しようとします。
 眠気や意識の低下、脱力感・疲労感・倦怠感、空腹感・飢餓感などの症状が出てきます。
 また、漠然とした不安感や無気力感などのメンタル症状も引き起こします。

 低血糖による心身の症状は、「うつ」 や 「慢性疲労症候群」 と間違われることがあります。
 →カテゴリ:「うつ状態・うつ病」

 低血糖は命に関わる危険な状態なので、身体は必死で血糖値を上げようとします。
 生命の危機を回避するため、血糖値を上昇させるホルモンや交感神経が異常興奮します。
 血糖上昇ホルモン・交感神経が異常興奮すると、心身は戦闘モードに切り替わります。
 →記事:「自律神経のはたらき ~活動の交感神経&休息の副交感神経~」

 戦闘モードでは、動悸・頻脈・冷感、振戦・痙攣、発汗、呼吸困難などの症状が出てきます。
 暴力や奇声を発するなどの問題行動や、幻覚・幻聴などのメンタル症状も引き起こされます。

 低血糖回避時の心身の症状は、「ADHA」や 「パニック障害」 と誤解されることがあります。
 →カテゴリ:「パニック障害」

 このように血糖値が乱高下してしまう低血糖症を、「反応性低血糖症」と言います。
 低血糖症はメンタル症状を引き起こしますが、決して「心の病気」ではありません。
 血糖値が上手くコントロールされず乱高下してしまう「身体のはたらき」のトラブルです。

 原因を取り除いて適切に対処すれば、低血糖症による身体症状・メンタル症状は改善されます。

 →次記事:「血糖値の乱高下を防ぐ糖質制限~反応性低血糖症のセルフケア~」
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はりきゅう中村@大阪

Author:はりきゅう中村@大阪

 心身相関の考えから、身体の健康とメンタルヘルスに取り組んでいます。より簡単・安全で、より効果的なセルフケア(家庭治療)を紹介しています。
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