50歳代の女性。毎食後に必ず下痢をして、お腹が張ったり大量のガスが出てお困りです。
食べると症状が出るので、勤務中は昼食を抜くなどしてやり過ごしています。
常にお腹のことが気になるので外出が億劫になり、気が滅入っているそうです。
これまで色々な治療を試すも良くならず、藁にもすがる思いでご来院です。
症状が出るのは食後のみで、食事と食事の間は大丈夫だそうです。
食事で胃が膨らむと腸が激しく動いて症状が出るそうです(胃・結腸反射の亢進)。
来院時はお昼下がり。症状の出ていない時間帯です。
腹部の聴診ではグル音は正常(+)。打診でも、ガスはそれほど溜まっていません。
触診すると、みぞおちからヘソにかけての上腹部と、左下腹部に圧痛点がいくつもあります。
とくに左下腹部は、軽く押さえただけでも顔をしかめるような強い痛みです。
これらの圧痛点の改善を、治療効果の指標に設定しました。
腸の動きすぎを抑えるには、副交感神経症状でH5F5のツボが有効です。
しかし除外診断的治療として、胃腸の交感神経抑制の左F1F6のツボ刺激をしました。
お腹の圧痛点には全く変化なし、無効です。
左右のF5H5のツボをひとつ刺激する毎に、腹部の圧痛点は軽減。
時間をおいて2回目のH5F5を刺激すると腹部の圧痛は解消しました。
仕上げに、腸の動きを止める(良い意味で)ため、交感神経を高める低周波通電を15分。
ご自宅ではH5F5にお灸と、運動で交感神経を高めるよう指導しました。
2診目(5日後)
治療後、食事を摂っても不思議なくらい、大分良くなったそうです。
2日間は腸がピタリと静まり、3日目は少しゴロゴロ鳴るものの下痢は止まっていたそうです。
5日目の今日は、元の状態にぶり返してしまったようです。
神経が覚えてしまった症状を治すには、最初は毎日のように治療を行う必要があります。
遠方からの来院なので、ご自宅でも井穴刺絡をしてもらうよう、やり方を指導しました。
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