鍼灸症例:舌痛症 舌の痛みとシビレ、顎・耳の痛み、下唇・下顎のシビレ

 70歳代の女性。舌の痛みとシビレでお困りです。
 歯科と耳鼻科の画像検査・血液検査では異常は見つからず、舌痛症と診断されました。
 痛み止めの薬も効かず、心療内科・精神科に行くよう言われたそうです。
 患者さんの娘さんがネットで検索されて、藁をもつかむ思いでご来院されました。

 主な症状は、舌の痛みとシビレです。その他にも、下唇から顎にかけてのシビレ、
 頬から耳にかけての痛みと、ものを飲み込むときのノドの痛みなどがあります。
 症状のある部位は、いずれも右側だけ、真ん中から右半分のみです。

 病院の検査で舌の器質的異常が除外されていることと、詳しく教えてもらった症状から
 この患者さんの舌痛症を引き起こしているのは、首や顎周辺の筋肉のトラブルだと思いました。
 →カテゴリ:「舌の痛み・舌痛症」

 触って調べてみると、右側の頬や首の筋肉がパンパンに緊張して、少しむくみもあります。
 ちょっと軽く押さえるだけで、強い痛みを訴えます。病院では触診をしなかったのでしょうか??

 筋緊張と血流障害によって発痛物質が蓄積し、痛みやシビレを引き起こしていることと、
 首や顎の筋肉の痛みが、舌の痛みとして感じること(関連痛)を、かみ砕いて説明しました。

 初回
 顎から首にかけての多くの筋肉の筋緊張が著しいので、舌痛症の犯人を特定できません。
 とりあえず凝っている筋肉の圧痛点に片っ端から刺鍼して、筋緊張を緩めました。
 治療が終わる頃には舌や顎の痛みは半分以下になって、楽になったそうです。

 2回目(初回の翌日)
 前回の治療後、食事をしても痛まず、久しぶりに夜もグッスリ眠れたそうです。
 笑顔で声や表情が明るく、よくおしゃべりをするようになっています。
 付き添いの娘さんも、元の明るい母に戻った、と仰ります。
 前回と同様の治療を行いました。

 3回目(初回の3日後)
 痛みはさることながら、それよりも舌のシビレを非常に強く感じて辛いそうです。
 全体の筋緊張が大半解けてきたので、今回は怪しい筋肉をひとつずつ確かめてみました。

 咬筋の停止部の圧痛点への刺鍼で、耳の痛みと顎関節部の痛みが軽減(10→5)。
 胸鎖乳突筋への刺鍼で、舌の痛み(10→5)、耳の痛み、顎関節部の痛みも改善(5→0)。
 しかし、舌のシビレは全く改善なしです。まだ他にも犯人が潜んでいるようです…。

 外側翼突筋を狙って、下関穴に刺鍼。変化無し。
 上関穴から耳穴に向かって斜刺。舌の奥のシビレ(10→1)と、舌の奥の痛み(5→1)。

 内側翼突筋を狙って、下顎角から水平刺。
 舌の先のシビレ(10→1)、舌の奥の痛み(5→1)、下唇・下顎のシビレ(10→1)。

 まだ残っている「1」ですが、痛み・シビレがあるのか無いのかよく分からない程度だそうです。

 今度は、ものを飲み込むときのノドの痛みが気になるそうです。
 顎二腹筋後腹部の圧痛点に刺鍼。嚥下時痛が改善(10→2)。

 これなら普通に生活を送れそう^^と、総合評価を頂いたので略治としました。
 顎や首の筋緊張や血流障害が、この患者さんの舌痛症の犯人だったようです。
 直貼などで温めて血行を良くすることと、しばらく固いものを食べないよう指導して終了しました。

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はりきゅう中村@大阪

Author:はりきゅう中村@大阪

 心身相関の考えから、身体の健康とメンタルヘルスに取り組んでいます。より簡単・安全で、より効果的なセルフケア(家庭治療)を紹介しています。
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